防犯カメラの保存期間とは?影響する3つの要素と期間を延ばす方法
監視カメラ・防犯カメラ映像の保存期間は、記録媒体や設置場所などさまざまな要因によって決まります。なかには保存期間を短くする要因もあり、記録の上書きや削除によって大切なデータを失いかねないため、注意が必要です。
そこで本記事では、防犯カメラの保存期間と保存期間に影響する3つの要素、保存期間を延ばす方法について説明します。
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どちらも配線工事などは不要で、手元に届いてから1分で監視を開始でき、設置の手間がかかりません。
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目次
監視カメラ・防犯カメラの保存期間は主に2種類
監視カメラ・防犯カメラの保存期間には、主に次の2種類があります。
さっそく見ていきましょう。
種類1.記録媒体ごとの保存期間
監視カメラ・防犯カメラの保存期間は、使用している記録媒体によって異なります。下表に記録媒体ごとの保存期間をまとめました。
記録媒体 | 保存期間 |
---|---|
SDカード (128GB) |
約15時間 |
クラウド | 契約日数による |
HDD (1TB) |
約3日間 |
SSD (1TB) |
約3日間 |
記録媒体ごとの保存期間は、画質や保存形式などによっても変化します。
なお、記録媒体の詳細や保存期間に関係する要素については「監視カメラ・防犯カメラの保存期間に影響する3つの要素」で詳しく説明します。
種類2.設置場所ごとの保存期間
監視カメラ・防犯カメラの保存期間は、設置している施設に適した保存期間や各自治体で定められたガイドラインによって異なる場合があります。
下の表のような設置場所については、法律で定められた明確な保存期間の規定がありません。そのため、設置者が自らの判断で、設置場所に適した保存期間を決める必要があります。
各設置場所における保存期間の目安は、次のとおりです。
設置場所 | 保存期間 |
---|---|
自宅 | 約1週間 |
コンビニ・商店 | 約1週間~1ヵ月 |
駐車場 | 約1週間~1ヵ月 |
工場 | 6ヵ月~2年程度 |
建設現場・工事現場 | 6ヵ月~2年程度 |
自宅に監視カメラや防犯カメラを設置する際、保存期間を決める上で考慮すべき点がいくつかあります。
まず、長期間にわたって映像を保存し続けると、大容量の記録媒体を購入するなどの追加コストが必要です。また、膨大な量のデータを保存していると、必要な映像を見つけ出すのに時間と手間がかかり、効率が悪くなってしまいます。
そのため、カメラを設置する場所や目的に応じて、適切な保存期間を設定することが重要です。
保存期間を決める際は、必要な映像を確実に保存できる期間を確保しつつ、コストや利便性とのバランスを考えることがポイントです。状況に合わせて柔軟に対応し、最適な期間を設定しましょう。
公的・公共機関の保存期間
ただし、次のような公共機関や特定の業種では、保存期間に関する明確なガイドラインが定められている場合があります。
設置場所 | 保存期間 |
---|---|
街頭 | 約1週間~1ヵ月 |
市役所 | 約1ヵ月 |
警察署 | 約1ヵ月 |
金融機関 | 3ヵ月~1年程度 |
学校 | 約1ヵ月 |
病院 | 約1ヵ月 |
街頭防犯カメラを例に取ると、警視庁では下記のような保存期間の基準を設けています。
- 録画
- 警視庁本部においてサーバに録画され、厳格な管理のもと30日間保存されています。保存期限が過ぎたサーバは自動的に上書きされ、映像データは消去されます。
※出典:街頭防犯カメラシステム|警視庁
しかし、監視カメラや防犯カメラの録画データが30日後に上書きされるとしても、犯罪の発見や捜査に支障をきたすわけではありません。実際に犯罪が発生した際には、関連する録画データを証拠として保全するため、上書きを防ぐ措置が取られます。
もし自分が何らかの事件や事故に巻き込まれた場合は、カメラの録画データが上書きされてしまう前に、警察や関係機関への届出を済ませるようにしましょう。
市役所などの公的機関についても、自治体ごとに保存期間が決められていることがあります。公の場にカメラを設置する際は、各自治体のHPなどからガイドラインを確認してください。
監視カメラ・防犯カメラの保存期間に影響する3つの要素
監視カメラや防犯カメラの保存期間は、主に次の3つの要素に影響されます。
監視カメラや防犯カメラの映像を保存するために、主に下表のような記録媒体が使用されています。
記録媒体 | 詳細 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
SDカード |
|
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クラウド |
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|
HDD (ハードディスクドライブ) |
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SSD (ソリッドステートドライブ) |
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それぞれの要素について、詳しく見ていきましょう。
要素1.記録媒体の容量
記録媒体には「SDカード」「クラウド」「HDD」「SSD」などがあり、その記録媒体の容量の大小によって、保存期間も変化します。
例えば、株式会社MIYOSHIが提供するレンタル監視カメラ「G-cam」は、ローカル保存で約1週間分の映像の記録が可能です。
ただし、高解像度で録画したり、常時録画をおこなったりするとデータ容量が増えるため、保存期間が短くなる場合があります。
監視カメラや防犯カメラを使用する際は、記録媒体の容量が十分であるかどうかを事前にチェックすることが重要です。
要素2.カメラの画質
カメラの画質は、データの保存期間に影響します。
監視カメラ・防犯カメラの画質を左右する主な要素には、次の2つがあります。
- 画素数(ピクセル数):画像を構成する最小単位のこと。
- フレームレート(fps:frames per second):1秒間の動画に表示される静止画像(フレーム)の数のこと。日本のテレビは約30fps
画素数やfpsを高く設定すると鮮明で滑らかな映像を撮影できますが、その分データ量も増えてしまいます。高画質を追求するほどデータ容量も大きくなるため、同じ期間分の画像を保存する場合は、より多くの容量が必要です。
そのため、監視カメラを設置する際は画質と保存容量のバランスを考慮して、用途に合った最適な設定を選ぶことが重要です。
例えば、セキュリティを強化したい場合や、細かい作業を監視したい場合など、設置場所によっては画素数やfpsが高いほうが良い場所もあります。
「保存期間が短くなるから」と画素数を下げて撮影するのではなく、設置目的・適切な画素数などを確認したうえで、保存容量を増やす対策をしましょう。
なお次の記事では、防犯カメラの適切な画質について解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
防犯カメラの適切な画質とは?画素数による見え方の違い、メリット・デメリットを比較
要素3.記録媒体への保存形式
監視カメラ・防犯カメラは、高画質での録画が可能な機種も増えています。高画質の画像はデータ容量が大きいため、保存容量を圧迫する問題があることは先に述べたとおりです。
しかし記録媒体への保存形式によっては、データ量の多い映像も長期間保存できるようになりました。例えば、H.264・H.265などの高効率な圧縮技術を備えたモデルでは、高画素数や高fpsの映像を、容量を大幅に削減した状態で保存できます。
高画質な映像をなるべく長い期間保存しておきたい場合は、高効率な圧縮方法が備わったカメラを選ぶのがおすすめです。
監視カメラ・防犯カメラの保存期間を延ばす3つの方法
本章では、監視カメラ・防犯カメラの保存期間を延ばす方法を3つお伝えします。
ひとつずつ見ていきましょう。
方法1.保存容量の大きい記録媒体を選ぶ
防犯カメラの保存期間を延ばしたい場合、保存容量の大きい記録媒体を選ぶのが効果的です。
ローカル保存でHDDなどを使用しているモデルなら、HDDの増設をして保存期間を延ばせます。しかしHDDの増設など、大きな保存容量を確保しようとすると、購入コストや管理の手間が増えてしまいかねません。
こうした問題を避けたい場合、クラウドへの保存がおすすめです。クラウドは、インターネット上のデータ保存領域を活用する場所です。そのため、機器の増設をしなくても簡単に容量を増やすことができ、長期間の映像保存が可能になります。
なお、株式会社MIYOSHIでレンタルをおこなっているカンタン監視カメラ「G-cam02C」では、クラウドサーバーを利用して最大で14日程度の映像を保存できます。また録画した映像は、ダウンロードして長期保存することも可能です。
カンタン監視カメラ「G-cam」の情報をご覧になりたい方は、次のボタンをクリックのうえ資料をダウンロードしてみてください。
方法2.圧縮率の高い記録媒体があるモデルを選ぶ
前章でも触れましたが、H.264やH.265などの高い圧縮率を搭載した記録媒体であれば、高画質な映像データを圧縮し、保存容量を大幅に削減できます。
このような圧縮方式に対応したモデルを選択すると、鮮明な高画質映像を長期間にわたって保存することが可能です。そのため保存期間を長くしたい場合は、記録媒体の容量や種類だけでなく、対応している圧縮方式も確認しましょう。
方法3.稼働時間を減らす
一番シンプルな方法ですが、稼働時間を減らすのも保存期間を延ばす方法のひとつです。
例えば下記のようにして稼働時間を減らせば、不要なデータの蓄積を防ぎ、保存容量を節約できます。
- 監視対象エリアに「人がいない」時間帯はカメラをオフにする
- 画像内に動きが場合は録画を停止する
ただし、設置場所や目的によっては、24時間365日の常時監視が求められるケースもあります。したがって、カメラの設置目的に応じた録画設定をおこなうことが重要です。
また、動体検知機能 を備えた監視カメラを選ぶのもおすすめです。映像内に動きがあった場合にのみ録画されるので、必要な映像を効率的に録画できます。
動体検知機能がついた防犯カメラについては、下記の記事をチェックしてみてください。
防犯カメラは動体検知機能付きがおすすめ!仕組みやメリットを解説
監視カメラ・防犯カメラの保存期間に関する3つのQ&A
最後に監視カメラ・防犯カメラの保存期間に関して、よくあるQ&Aをまとめました。
気になるものがありましたら、ぜひチェックしてみてください。
Q1.監視カメラ・防犯カメラの保存期間を過ぎた映像はどうなる?
通常監視カメラや防犯カメラの録画データは、保存期間を過ぎると新しく録画された映像によって上書きされ、自動的に削除されます。
上書きされたデータを復元することは難しいので、重要な記録は別途バックアップを取っておくようにしましょう。
バックアップ方法の詳細は、次の項目で説明します。
Q2.監視カメラ・防犯カメラのデータのバックアップ方法は?
監視カメラ・防犯カメラのバックアップ方法は、記録媒体によって異なります。例えばローカル保存の場合は、カードリーダーなどを使用してデータを読み取り、パソコンなどの端末にバックアップが可能です。
クラウドに保存している場合は、データをダウンロードして端末に保存できます。HDDやSSDにおいても、USBや別のHDDなどにバックアップできる場合があります。
なお、防犯カメラのデータを保存する際のクラウド使用量については、次の記事をご覧ください。
防犯カメラ・監視カメラのクラウド使用料が無料!おすすめカメラを紹介
Q3.不要になった保存データはどうする?
保有する必要のない監視カメラ・防犯カメラの映像は、消去するようにしましょう。
例えば建設現場での作業が終わり、映像を利用しなくなった場合は、すぐに消去する必要があります。
監視カメラ・防犯カメラの映像のなかに個人が識別できるような画像がある場合、その映像は「個人情報」に該当します。そのため、個人保護法に則った正しい対応をしなければなりません。
個人情報保護委員会の質問コーナーにおいても、下記のような返答がありました。
- Q5-2
- 取得した個人情報は、いつ廃棄しなければなりませんか。
- A5-2
- 個人情報保護法では、個人情報の保存期間や廃棄すべき時期について規定していません。もっとも、個人情報取扱事業者は、その取扱いに係る個人データを利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければなりません(法第 22 条)。
※出典:取得した個人情報は、いつ廃棄しなければなりませんか。|個人情報保護委員会
監視カメラ・防犯カメラは人物の顔などの個人情報を撮影しているため、カメラ映像が不要になった場合は消去するようにしましょう。
なお、下記の記事では、防犯カメラを設置する際に気をつけるべき法律や、設置時に注意しなければならないことについてまとめていますので、ぜひご覧ください。
防犯カメラ・監視カメラの映像は個人情報にあたる?設置時の注意点を解説
防犯カメラ設置時に気をつけたい法律とは?プライバシーに配慮しよう
監視カメラ・防犯カメラの保存期間を知っておこう
監視カメラ・防犯カメラの保存期間や、影響する要素について説明しました。映像の保存期間は、次のような要素によって異なります。
- 1.記録媒体の容量
- 2.カメラの画質
- 3.記録媒体への保存形式
また、監視カメラ・防犯カメラの保存期間を延ばすには、次の3つの方法があります。
- 1.保存容量の大きい記録媒体を選ぶ
- 2.圧縮率の高い記録媒体があるモデルを選ぶ
- 3.稼働時間を減らす
監視カメラ・防犯カメラの映像は個人情報にあたるため、不要になった映像は消去するなど、保存期間を過ぎた場合の対処方法についても把握しておきましょう。
監視カメラの保存期間に関する情報と、カメラを設置する目的や場所の特性を考慮しつつ、最適な保存期間を見極めることが大切です。
なお、次の記事では防犯カメラの録画時間について説明しています。気になる方はぜひチェックしてみてください。
防犯カメラの録画時間はどれくらい?映像の保存期間の目安も解説