ウェアラブルカメラは工事現場の救世主!種類や価格・メリットなど総まとめ

ウェアラブルカメラとは、身につけてハンズフリーで撮影できるカメラのことをいいます。

近年国を上げて建設DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進され、労働生産性向上が求められるなか、工事現場でのウェアラブルカメラの導入も広まっているのが現状です。

本記事では、工事現場でウェアラブルカメラがどのように使用されているかを紹介するとともに、メリットや選び方など導入に役立つ知識を紹介します。

なお、株式会社MIYOSHIではウェアラブルカメラ「G-POKE(ジーポケ)」のレンタルを始めました。操作が簡単・クリアな映像が24時間確認できる「G-POKE」についての資料は、下記からダウンロードしてご覧ください。

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工事現場で使用されるウェアラブルカメラの主な種類と価格

工事現場で使用されるウェアラブルカメラは、作業員が作業中の映像や音声を記録し、必要な場合にチェックや記録として利用するための装置です。安全確保や品質管理・訓練・遠隔臨場など、さまざまな目的で利用されます。

ウェアラブルカメラの種類は大きく次の3つです。

  1. ポケット型
  2. ヘルメット装着型
  3. メガネ型

価格とともに、それぞれの特徴を見ていきましょう。

種類1.ポケット型

1つ目はポケット型のウェアラブルカメラです。その名の通り、胸のポケットに差し込んで撮影します。

▲ポケット型

ポケット型ウェアラブルカメラの主な特徴と価格は、下記のとおりです。

特徴
  • 装着時のストレスが少ない
  • 装着時に目立ちにくい
  • 三脚に設置できるタイプもある
価格
  • 数万円程度〜数十万円ほど。ただし、安価なものは希望の機能がない場合もあるので注意
  • レンタルの場合、初期費用無料・月額数千円〜利用できるものもある

ポケット型は、装着時のストレスが少ないため、長時間の使用に向いています。

種類2.ヘルメット装着型

2つ目は、作業員のヘルメットにヘッドストラップを固定し、ウェアラブルカメラを取り付けられるタイプです。

▲ヘルメット装着型

出典:建設業における働き方改革推進のための事例集|国土交通省

ヘルメット装着型ウェアラブルカメラの主な特徴と価格は、下記のとおりです。

特徴
  • 普段の作業でヘルメットを使用している場合、違和感なく装着できる
  • 三脚に設置できるタイプもある
価格
  • 数万円〜数十万円ほど(機能によって異なる)
  • レンタルは数千円〜

ヘルメット装着型は、高所作業や動きの多い現場でカメラを気にせず撮影ができるため、安全に作業しやすくなります。

種類3.メガネ型(スマートグラス)

3つ目は、メガネ型のウェアラブルカメラです。工事現場の作業者は、メガネをかける気軽さでカメラを装着できます。

▲メガネ型(スマートグラス)

ヘルメット装着型ウェアラブルカメラの主な特徴と価格は、下記のとおりです。

特徴
  • 撮影者の目線で映像が映せるため臨場感がある
  • 軽量モデルが多く片目・両目タイプがある
価格
  • 数万円〜数十万円ほど。ただし、数万円のものはスマートウォッチのようにエンターテインメント機能が多いため、業務用には不向きなものが多い
  • レンタルは数千円〜

メガネ型のウェアラブルカメラは「目を覆う」という注意点があるため、安全を重視する工事現場では視野が広く手元が見えやすい片目タイプがおすすめです。

ウェアラブルカメラが工事現場で推奨される3つの背景

ウェアラブルカメラが工事現場で推奨される理由には、下記のような背景と狙いがあります。

  1. 人手不足(2025年問題)の課題解決
  2. 3K(きつい、汚い、危険)の払拭と、新3K(給与、休暇、希望)の実現
  3. 高齢化が進行するなか次世代への技術継承

また、下記3つの観点からも工事現場でのウェアラブルカメラの使用が推奨されます。

  1. 遠隔臨場
  2. i-Construction(アイ・コンストラクション)
  3. 建設DX

それぞれ詳しく見ていきましょう。

背景1.遠隔臨場

ウェアラブルカメラと建設現場の「遠隔臨場」は、密接な関係があります。

遠隔臨場とは、「直轄土木工事(※)の各種確認行為を非接触・リモートでおこなう」ことです。国土交通省の方針で、令和4年から本格的に実施が始まりました。
(※)国や地方自治体が自らの管理下で直接施工する土木工事のこと

▼遠隔臨場のイメージ

出典:鉄道建設工事における遠隔臨場に関する実施要領(案)|独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

遠隔臨場によって移動時間や待機時間を減らし、作業の効率化を図るのが目的です。

背景2.i-Construction(アイ・コンストラクション)

i-Constructionとは、2016年から国土交通省が進めているプロジェクトです。i-Constructionモデル事務所(豊岡河川国道事務所)によると、下記のように定義されています。

    i-Construction とは、ICTの全面的な活用施策(ICT 土工等)を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図り、もっと魅力ある建設現場を目指す取り組みです。

出典:i-Constructionとは|とよおかBIM/CIMポータル

i-Constructionの具体的な取り組みは、次のとおりです。

  1. ドローンを活用した自動飛行による測量
  2. 3次元データを活用した施工量の算出
  3. 現場で使用する重機の自動化 など

ウェアラブルカメラなどの使用により、建設現場の効率と安全性が大幅に向上することで、魅力ある職場環境の実現を目的としています。

背景3.建設DX

建設DXとは、設計・施工・維持管理のデジタル処理を可能とすることです。熟練技能のデジタル化を進めることなどにより、抜本的な生産性向上と非接触・リモート型への転換を進める狙いがあります。

さらに現在の業務を効率化・自動化するのみにとどまらず、デジタル技術を活用してビジネスそのものを変革していくことがDXの本質です。

参考:【建設業】DX推進事例6選|DX SQUARE

下記の記事では、建設現場や工事現場にDX化が求められている理由などを解説しています。関心のある方はご一読ください。

建設現場や工事現場のDX化には監視カメラを活用しよう

工事現場でウェアラブルカメラを利用する4つのメリット

次に、工事現場でウェアラブルカメラを使用するメリットを4つ紹介します。

  1. リアルタイムで遠隔臨場ができる
  2. 移動時間が削減できる
  3. 撮影しながら両手が自由に使える
  4. 教育にも活用できる

ウェアラブルカメラのメリットを活かし、自社の課題解決につなげましょう。

メリット1.リアルタイムで遠隔臨場ができる

「映像通話」や「デバイス間通話」機能がついたウェアラブルカメラを使用すると、リアルタイムで映像や音声が共有できるため、遠隔臨場ができる点がメリットです。

管理者や監督者は、定点カメラに比べて確認したい箇所が細部まで把握できるため、作業の進捗状況や問題点をより正確に把握し細やかな指示出しが実現します。

メリット2.移動時間が削減できる

ウェアラブルカメラで遠隔臨場ができるため、管理者や監督者が現地に出向く時間を削減できる点もメリットです。

これまで指示出しや確認のために訪れていた現場への移動時間が削減できるのはもちろん、現場作業員の待機時間の縮小も実現します。

複数の現場を抱える管理者は特に、一箇所から指示出しができるため大きな作業効率化が期待できます。

メリット3.撮影しながら両手が自由に使える

撮影しながら両手が自由に使える点も、ウェアラブルカメラならではのメリットです。

現場で撮影をしながらも作業に集中できると同時に、閲覧側の管理者も臨場感のある映像でリアルタイムでの現状把握ができます。

また災害時の救助活動などのシーンでは、両手が使えると安全面でも安心です。

メリット4.教育にも活用できる

最後のメリットは、ウェアラブルカメラを活用すると現場の新人教育にも使用できる点です。

例えばオフィスに在籍するベテラン監督者が現地に行かなくとも、手元の映像を見ながら現場の作業員に指示を出し、サポートすることができます。

「人手不足で教育にまで手が回らない」という、工事現場でよくある課題の解決に効果的です。

ウェアラブルカメラで工事現場の生産性が向上した事例4選

ここからは、ウェアラブルカメラを使って工事現場のさまざまな生産性が向上した4つの事例を紹介します。

  1. 複数の現場担当者の移動時間が50%削減
  2. 仕事に対する意識向上で安全管理にも効果
  3. 音声機能を使用してリアルタイムで指示を実行
  4. 高所ロープ作業時にも両手の使用が可能

ウェアラブルカメラによって現場がどのように変化したのか、さっそく見ていきましょう。

事例1.複数の現場担当者の移動時間が50%削減

1つ目の事例は、ウェアラブルカメラによって「複数の現場」を担当している発注者の確認作業の効率化が図れた事例です。 取り組みの目的・背景・成果を下表にまとめました。

企業名 株式会社加藤建設
導入目的 複数の現場立会の効率化
取り組みの背景
  • 担当者が複数現場を担当している場合、対⾯での打合せ時間の確保が難しい
  • 現場での立会ができないことから、工程に影響を与えることがあった
成果
  • 移動時間の削減(約50%)につながっている
  • 発注者や品質証明員の現地⽴ち合いをせずに状況が確認ができ、効率化が図れた

複数のタブレット端末が必要となるのが前提ではあるものの、遠隔で打合せをおこない、現場作業員とのコミュニケーションの円滑化が図れました。
参考:建設業における働き方改革推進のための事例集|国土交通省

事例2.仕事に対する意識向上で安全管理にも効果

2つ目は、ウェアラブルカメラを安全管理に役立てている事例です。なお、使用したウェアラブルカメラはヘルメットに装着するタイプです。

企業名 株式会社荒⽊組
導入目的 労働時間短縮・安全管理
取り組みの背景
  • 品質管理での不具合をなくす
  • 事故撲滅を掲げ「安全第⼀」を意識した⾏動の注意喚起を、現場監督および作業員に促す
成果
  • カメラの装着後は緊張感が出て、仕事(施⼯・品質・安全)に対する意識が向上した
  • 記録に残すことにより「⾒られている・⾒える化されている」と意識し、効果があった

事故につながる行動を把握できるようになってきており、同社は「この効果を今後につなげたい」と期待しています。

また、本事例のウェアラブルカメラは共同開発されたものですが、開発時には「軽量化」「⻑時間録画」「防⽔・防塵仕様」の3点にこだわったそうです。

参考:建設業における働き方改革推進のための事例集|国土交通省

事例3.音声機能を使用してリアルタイムで指示を実行

次に国土交通省が発表している、実際の建設現場におけるウェアラブルカメラを使用した遠隔臨場の取り組み事例を紹介します。
令和元年10月、台風19号により被災した低水護岸を復旧する際の取り組みに、音声機能がついたウェアラブルカメラを使用した事例です。

出典:建設現場における遠隔臨場 取組事例集 (第二版) 令和5年3月|国土交通省

導入目的と背景、成果を下の表にまとめました。

工事名 R1 荒川下流右岸浮間地区下流低水護岸災害復旧工事
導入目的 スムーズな立会確認
取り組みの背景
  • コロナリスクを低減したい
  • 生コン現場試験の頻度が高く、移動時間が多い
成果
    【監督者側】

  • カメラが音声操作の機能を有しているため、確認したい箇所をリアルタイムで撮影者に伝えることができた
  • 移動時間の削減となった

【受注側】

  • ハンズフリーで操作できるため、転倒などの危険性が軽減された
  • 標尺を自分で持ちながら作業できた
  • 希望どおりの時間帯で立会が可能となった

今後の課題として、「通信環境により映像や音声が中断することがある点」が挙げられています。

参考:建設現場における遠隔臨場 取組事例集 (第二版) 令和5年3月|国土交通省

事例4.高所ロープ作業時にも両手の使用が可能

最後に、斜面の土砂崩れや土石流の発生を防ぐためにおこなわれる「斜面対策工事」でウェアラブルカメラが使用された事例を紹介します。

出典:建設現場における遠隔臨場 取組事例集 (第二版) 令和5年3月|国土交通省

工事名 兵庫県神戸市 葺合地区2工区斜面対策工事
導入目的 労働時間短縮・安全管理
取り組みの背景
  • 高所・直接目視が困難な箇所がある
  • 高所ロープ作業がある
成果
    【監督者側】

  • 出張所から現場までの移動が省略でき、監督行為の負担軽減となった
  • 移動にともなう交通事故のリスクが軽減できた
  • 高所など、直接目視が困難な箇所での確認が遠隔から容易におこなえた

【受注側】

  • 両手が使用可能なため、高所ロープ作業時の撮影が容易だった
  • 待機時間がほとんどなくタイムリーな臨場が実現できた

また、今後に向けて次の課題が挙げられました。

  • 強風時において風切り音をマイクが拾ってしまい、誤作動を生じてしまう
  • 発信器側の電気消費量が大きいため、十分に充電していないとバッテリー切れを起こしてしまう

参考:建設現場における遠隔臨場 取組事例集 (第二版) 令和5年3月|国土交通省

工事現場に最適なウェアラブルカメラを選ぶコツ

事例でもあがっていたように、現場でウェアラブルカメラを運用する際の課題は「誤作動」「通信環境によって音声や映像が途切れる」ことなどです。

そこで、ウェアラブルカメラを選ぶ際に押さえておくべきポイントを下記にまとめました。

    【ウェアラブルカメラ選びで押さえておくべきポイント】

  1. 操作が簡単
  2. 年齢を問わず、すぐに使用できる
  3. 録画・通話ができる
  4. ライブ映像通話ができる
  5. 軽量(参考:携帯電話で通常130g〜200gくらい)
  6. 手ぶれ補正がある
  7. 高画質(遠隔で作業の確認ができるくらい)
  8. ナイトビジョンで夜でも映せる
  9. 防水防塵機能付き
  10. バッテリー稼働時間が長い
  11. バッテリー交換もできる
  12. オフラインでも使用できる
  13. ボタンを押す少し前から撮影できる
  14. ボタンを押した後も少し撮影できる

株式会社MIYOSHIでは、上記のポイントを押さえたウェアラブルカメラ「G-POKE」のレンタルをおこなっています。
誤作動を抑えるノイズ除去機能搭載オフラインでも使用できるため、作業現場のネットワークが不安定な場合でも安心してお使いいただけます。

▲G-POKE

G-POKEの主な機能は下記のとおりです。

G-POKEにはSIMが内蔵されており、ライブ映像通話やデバイス間通話(インカム機能)もできます。詳しくは、下記からサービス資料をダウンロードしてご覧ください。

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工事現場でウェアラブルカメラを使用する際の注意点

最後に、工事現場でウェアラブルカメラを使用する際の注意点を2つ紹介します。

  1. 操作時は手を止めること
  2. プライバシーに配慮すること

工事現場は安全第一です。注意点を押さえ、安全安心な運用を心がけましょう。

注意点1.操作時は手を止めること

ウェアラブルカメラの使用中は、意識が操作に集中し足元への注意が薄れるおそれがあります。

また、カメラの操作のために両手が塞がることで転倒等の事故につながる場合があるため、下記のようなルールを決めておくのがおすすめです。

  1. 撮影しながらの移動はおこなわない
  2. 移動中に撮影の指示を出さない

周囲の環境に十分注意し、必要な場合は一時的に撮影を中断することも大切です。

注意点2.プライバシーに配慮すること

ウェアラブルカメラは性質上、映像に従業員や現場関係者が映り込むことが考えられるため、プライバシーへの配慮を怠ってはいけません。

また、従業員から「監視されているようだ」との声が出ることも予想されます。そのため周囲に理解してもらう必要があり、管理者は下記のような対応が必要です。

  1. 前もって従業員や現場関係者から同意を得る
  2. プライバシー保護のための規定をしっかりと設ける
  3. カメラを導入する目的やメリットを伝える

下記の記事では、防犯カメラの使用とプライバシーについて解説しています。個人情報の保護に関する法律にも触れていますので、併せてご覧ください。

防犯カメラ設置時に気をつけたい法律とは?プライバシーに配慮しよう

ウェアラブルカメラを工事現場で活用して生産性を向上させよう

今回は、ウェアラブルカメラを工事現場で利用するメリットや活用事例を紹介しました。ここであらためて、ウェアラブルカメラのメリットを確認しましょう。

    【ウェアラブルカメラを利用するメリット】

  1. リアルタイムで遠隔臨場ができる
  2. 移動時間が削減できる
  3. 撮影しながら削減できる
  4. 教育にも活用できる

また、活用事例でも紹介されていたように、工事現場へウェアラブルカメラを導入すると次のような効果を期待できます。

    【ウェアラブルカメラを工事現場に導入すると期待できる効果の一例】

  1. 仕事に対する意識向上で安全管理面でも良い影響が出る
  2. 音声機能を使用してリアルタイムで指示を出せる
  3. 高所ロープ作業時にも両手を使用できる

自社の目的に合ったウェアラブルカメラを活用して、工事現場のさまざまなシーンで生産性を向上させましょう。

なお、株式会社MIYOSHIが提供する小型ボディカメラ「G-POKE」は、現場で撮影したライブ映像を本社などの離れた場所から遠隔で確認できるため、遠隔臨場が実現し生産性向上に貢献します。

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