施工管理の基本!4大管理のポイントや求められるスキル・新たな項目も解説

建設現場における「4大管理」とは、品質管理・工程管理・原価管理・安全管理の4つで構成されている施工管理の要素です。さらに近年では、環境管理が加わり「5大管理」として認識され、プロジェクトを円滑に進め、成功させるために欠かせない要素となっています。

本記事では、4大管理の仕事内容やポイント・必要なスキルなど、施工現場での管理に役立つ情報をお届けします。

なお、株式会社MIYOSHIでは、カンタン監視カメラ「G-cam」のレンタルを実施中です。横回転350度・縦回転90度の広範囲をカバーでき、建設現場の死角や見逃されがちな場所まで監視が可能です。資料を無料で配布していますので、下記からお気軽にダウンロードしてご覧ください。

>>>カンタン監視カメラ「G-cam」の資料をダウンロードしてみる<<<

施工管理の4大管理とは

施工管理の4大管理とは、建設プロジェクトを効率的かつ安全に進行させるための基本的な管理手法であり、次の4つの要素から構成されています。

品質管理 建設物の品質を確保するための管理
原価管理 プロジェクトの予算を守るための管理
工程管理 工事を予定どおりに進行させるための管理
安全管理 作業員の安全を確保し、事故を未然に防ぐための管理

 

4つの管理項目は互いに深く関連しており、どれかひとつでも問題が生じると他の項目にも悪影響を及ぼしかねません。そのため施工管理者には、4要素の管理をバランスよく実施することが求められます。

4大管理の仕事内容とポイント

本章では、4大管理の仕事内容を解説します。

各要素のポイントも併せて解説しているので、それぞれチェックしてご覧ください。

要素1.品質管理(Quality)

品質管理は、建設プロジェクトの各工程で品質を確保するための要素です。

具体的には、設計図や仕様書に示された基準を満たすことを目的とし、工事現場での品質試験や施工状況の記録を行います。記録しておくことで、完成した建物が安全で長持ちすることの保証にもなります。

品質管理の主なポイントは次のとおりです。

基準の設定 品質特性と基準を設定することにより、どのような品質を目指すべきかが明確になる
作業標準の確立 設定した基準を満たすための作業方法を検討・標準化することにより、一貫した品質を維持できる
データの取得と分析 ・作業中にデータを取得し、品質が基準を満たしているかを確認する
・異常があれば、原因を究明し対策を立てる
工程の安定化 ・品質が確保された状態からさらに進み、工程が安定しているかを検証する
・必要に応じて改善を実施し、品質のばらつきを抑える

 

要素2.原価管理(Cost)

原価管理は、建設プロジェクトの各段階で発生する費用を管理し、予算を超えないようにすることを目的としています。原価管理のなかには材料費・人件費・機械のレンタル費用などが含まれます。

適切な原価管理により、無駄な支出を抑えながら利益率の維持や向上が可能です。

原価管理のポイントは大きく次のとおりです。

予算の設定と管理 プロジェクト開始前に詳細な予算を設定し、実際の支出を定期的にモニタリングして予算内に収める
コストの追跡と分析 各費用項目の支出を追跡し、予算からの逸脱がないかを確認する

※必要に応じて調整を行う

コスト削減の工夫 資材の発注や人材の配置を最適化し、無駄を省くことでコスト削減を図る
原価の確認 定期的に原価を確認し、材料や使用の変更・想定外の出費などによる原価変動にいちはやく気付けるようになる
粗利益・予算との差異の確認 プロジェクト完了後に粗利益や予算との差異を確認することで、反省点を次のプロジェクトに生かす

 

現場でかかる費用については、下記の記事で詳しく解説しているので併せてご覧ください。

現場管理費とは?現場監督が把握しておくべき費用について

要素3.工程管理(Delivery)

工程管理は、工事が納期までに完了するように全体のスケジュールを計画し、管理することを指します。例えば、工程表の作成や各作業の進捗を把握して、必要に応じて工程を調整します。

建設現場では多くの関係者が関わることもあり、工程は複雑になるのが通常です。効率的に工事を進めるためにも、下記のポイントを押さえて納期内に高品質な工事を進めるようにしましょう。

工程管理の主なポイントは次のとおりです。

工程表の作成 工事の全体像を把握し、各作業の順序や期間を明確にするために工程表を作成する

※ガントチャート・ネットワーク図など

進捗管理 ・各作業の進捗を定期的に確認し、計画との差異を把握する
・必要に応じてスケジュールを調整し、遅延を防ぐ
リソースの最適化 人員や資材の効率的な配置を実施し無駄を省くことにより、少ない工程数での工事を目指す
問題の早期発見と対応 工事中に発生する問題を早期に発見し、迅速に対応することで、工事をスムーズに進める

 

要素4.安全管理(Safety)

安全管理は建設現場での事故やトラブルを防ぎ、作業員の安全を確保することを目的としています。安全のためには作業環境を整備し、リスクを最小限に抑えなければなりません。

例えば、高所作業では作業員が安全ハーネスやヘルメットを着用し、定期的に足場の点検を行うことで落下事故のリスクを軽減します。

また重機の使用時には資格を持ったオペレーターのみが操作し、周囲に立ち入り禁止区域を設けるなど、誤操作や接触事故を防ぐ対策が必要です。

安全管理の主なポイントは次のとおりです。

リスクの特定や対策 現場での潜在的な危険を特定し、適切な対策を実施する

※高所での安全ハーネスの使用など

安全設備の整備 手すりや防護柵の設置・機器の定期点検など、設備を整備して事故を未然に防ぐ
安全教育と訓練 作業員に対して定期的に安全教育や危険予知訓練を実施し、安全意識を高める
健康管理 作業員の健康状態を定期的に確認し、適切な労働環境を提供する

 
安全管理にはさまざまな方法がありますが、監視カメラを活用することも手段の一つです。

例えば、株式会社MIYOSHIが提供しているカンタン監視カメラ「G-cam」は、下記の理由から建設現場や工事現場の安全管理に役立ちます。

    【カンタン監視カメラG-camが安全管理に役立つ主な理由】

  1. レンズ横回転最大350度・縦回転最大90度で、真下や真後ろまで監視可能なため、現場の死角や危険な状況の早期発見につながり、事故防止に役立つ
  2. 遠隔地からでも、リアルタイムで現場での異常や危険が即座に把握でき、迅速な対応が可能
  3. 高い防塵防水機能や夜間撮影機能など、さまざまな現場環境の安全管理に必要な機能を備えている

モバイルSIMと設定済みルータ内蔵のため配線に縛られず、現場に合わせて自由に設置できる「G-cam」の資料は、下記からダウンロードしてチェックしてみてください。

また、監視カメラ・防犯カメラを活用した安全管理について下記の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

工事現場ではどんな事故が起こり得る?防犯カメラ・監視カメラは事故対策にも最適

4大管理に求められる主なスキル

4大管理を、より効果的に運用するためには主に次のようなスキルが求められます。

コミュニケーション能力 ・設計者・職人・クライアントなど、多様な関係者と円滑なコミュニケーションを取る

・品質に関する情報を、誤解なく関係者に伝える

・関係者の協力を得て、共通の目標達成を目指す

分析・予測能力 ・過去のデータや現状のデータを分析し、適切に対処する

・潜在的な危険を識別し、リスクを最小限に抑える

リーダーシップ ・チームをまとめ、共通の品質目標に向けて導く力

・チームメンバーのモチベーションを維持し、高いパフォーマンスを発揮できるように促す
・発生した問題に迅速に対応し、適切な対策ができる

デジタルリテラシー ・工程管理システムやコスト管理システムを効率的に利用する、基本的なITスキル

・データを正確に入力し、管理する

・必要な情報を、インターネットなどから収集する

スケジュール管理 ・各タスクの時間を把握し、全体の流れを効率的にコントロールする

・人員や資材などの資源を、効率的に配分する

その他 ・予算編成や費用分析を行うための基礎的な経理知識

・資材やサービスの価格を交渉する能力

・工事中に発生する問題を迅速に解決する能力

・現場の状況を的確に把握し、潜在的な危険を見逃さない能力

 
また必須ではありませんが、「施工管理技士」の国家資格を取得すると、専門知識や技術が認められるため施工管理の仕事に有利です。さらに、より大きな責任を持つポジションやキャリアアップの機会が増えるだけでなく、発注者やクライアントからの信頼も得やすくなります。

    【施工管理技士とは】

  1. 建築物や土木構造物を建てる現場で、工程管理・品質管理・安全管理など、工事全体の円滑な進行を担う専門家が施工管理技士です。専門性が高いため、高収入が期待できます。
  2. 出典:令和6年度建築施工管理技術検定の実施について|国土交通省

施工管理技士に興味のある方は、ぜひ公式サイトをチェックしてみてください。

施工管理技術検定|一般社団法人建設業振興基金

4大管理に加えて知っておくべき「+1」の管理項目

近年では、4大管理に「環境管理」を加えた「5大管理」として環境への配慮も重要視されています。

施工管理の4大管理に「環境管理」が加わった主な理由は次のとおりです。

  1. 1.環境意識の高まり
    世界的に環境保護への関心が高まり、建設業界でも環境への配慮が重要視されるようになった
  2. 2.法規制の強化
    環境に関する法律や規制が厳しくなり、建設プロジェクトでも環境基準の遵守が求められるようになった
  3. 3.持続可能性への要求
    持続可能な開発の概念が普及し、建設プロジェクトでも環境への影響を最小限に抑える必要性が認識された
  4. 4.社会的責任の拡大
    建設会社の社会的責任として、環境保護や地域社会への配慮が求められるようになった

環境管理の目的は、建設現場での作業が自然環境や地域社会に悪影響を与えないように管理することです。下記に環境管理の主な取り組みをまとめました。

  1. 廃棄物の適切な処理
  2. 騒音や振動の抑制
  3. エネルギー効率の向上
  4. 環境に配慮した資材の使用

加えて、環境管理では作業環境が作業員の心身に過度な負担をかけないような配慮も欠かせません。

長時間の労働や過酷な作業条件が作業員のストレスや疲労を増大させないように、作業時間の適正化や休憩時間の確保・騒音や粉塵の軽減など、快適な作業環境を図ることが求められます。

環境管理の追加は、建設業界の社会的責任と持続可能性への取り組みを反映したものといえます。

なお、環境管理を加えた5大管理について下記の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

施工管理における五大管理とは?管理ポイント・優先順位を徹底解説

施工管理の4大管理に関するQ&A

施工管理の4大管理に関するQ&Aを2つ紹介します

  1. 施工管理がやめておけと言われるのはなぜですか?
  2. 施工管理は女性では難しいですか?

気になるものがありましたら、ぜひチェックしてみてください。

Q1.施工管理がやめておけと言われるのはなぜですか?

「施工管理はやめておけ」と言われる理由には、次のような点が挙げられます。

  • 労働環境の厳しさ
  • 責任の重さ
  • 将来性への不安
  • 待遇面

施工管理の仕事は、長時間労働や多岐にわたる責任など、肉体・精神的な負担が大きい点が課題です。また、業界を取り巻く環境の変化も大きく、将来性への不安や待遇面での不満を抱く人も少なくありません。

一方で施工管理は大きなやりがいを感じられる仕事でもあり、建物やインフラを築き上げることで社会に貢献する喜びを得ることができます。

また、多様な知識やスキルを身につけるなどの自己成長が期待でき、設計・監理・営業など、さまざまなキャリアパスが開かれているため、スキルアップが可能な職種です。

Q2.施工管理は女性では難しいですか?

実際に施工管理で活躍する女性も少なくなく、決まった性別に限定される職種ではありません。

国土交通省でも、建設産業における女性の定着推進に向けてあらゆる取り組みを実施しており、将来的にはさらに多くの女性が施工管理で活躍することが期待されます。関心のある方は、下記の国土交通省のページをチェックしてみてください。

参考:建設産業における女性の定着促進に向けた取組について|国土交通省

状況に応じてバランスの良い施工管理(4大管理)をしよう

施工管理の4大管理とは、建設プロジェクトを効率的かつ安全に進行させるための基本的な管理手法であり、次の4つの要素から構成されています。

品質管理 建設物の品質を確保する
原価管理 プロジェクトの予算を守る
工程管理 工事を予定どおりに進行させる
安全管理 作業員の安全を確保し、事故を未然に防ぐ

 
また、近年では「環境管理」を加えた「5大管理」として、環境への配慮も重要視されるようになりました。それぞれの管理項目は互いに深く関連しており、どれかひとつでも問題が生じると他の項目にも悪影響を及ぼすことがあるため、バランス良い管理が大切です。

 

なお、施工管理を効率的に実施するツールとして、カンタン監視カメラ「G-cam」もおすすめです。本体カメラを固定用ベルトで固定し、コンセントに​​差し込むだけで取り付けられるため、面倒な設定がいらず迅速に現場の監視が開始できます。

1週間の無料お試し後、そのままレンタル開始もできる「G-cam」の詳細は、次のボタンをクリックのうえご確認ください。