男女差別は実際ある?職場における男女平等、力仕事の考え方とは
女性の活躍や男女平等を目指す取り組みが積極的に行われているなか、男女差別は無くならないと感じる人は未だに多いようです。
特に、建設現場や工事現場における力仕事では、男女平等は難しいという考え方もあります。
そこで今回は、仕事における男女差別について、力仕事の男女平等をどう考えるべきなのかを解説していきます。
目次
職場における男女平等とは
日本では、男女雇用機会均等法や労働基準法などの改正によって、労働者の性別による差別をなくそうという取り組みが継続的に行われています。
一見すると男女平等な職場環境整備が進められているようにも思われますが、実際には、依然として不平等さを感じる人も少なくないようです。
そもそも職場における男女平等とは、労働者が性別によって差別を受けることなく能力を発揮できる環境、男女の均等な雇用機会のことです。
具体的には、どのように考えていくべきなのでしょうか。
セクハラ・マタハラの防止
職場でのセクハラ・マタハラは、働く人の能力を発揮する妨げになるだけではなく、個人の尊厳や人格を不当に傷つける行為です。
妊娠・出産、育児休暇等を理由とする不利益な解雇はもちろん、冗談のつもりであっても性的な発言については、セクハラ・マタハラ防止の観点から男女平等に反します。
女性管理職の推進
日本では、女性管理職の割合が男性に比べて少ないという現状があります。
意欲と能力があり、意欲的に昇進を望むにも関わらず、男性ばかりが管理職に登用される企業も少なくないのではないでしょうか。
特に、男性社会と思われがちな建設現場・工事現場においては、女性管理職の推進は課題の一つです。
意欲や能力のある女性を積極的に育成し、男女ともに昇進できる仕組みを作ることは、職場における男女平等につながります。
平等な雇用機会の拡大
建設現場・工事現場などの作業員として、男性を採用したいという現場監督は多いです。
しかし、人員募集の段階で男女のいずれかを排除したり、女性の選考基準を男性よりも厳しくしたり、性別によって採用条件を変えるなどの行為は、男女平等に反します。
「力仕事は男性がするもの」というイメージにとらわれず、男女均等な雇用機会を提供することが求められています。
育児・介護における男女平等
日本では、「家事や育児、介護などは女性の仕事」という意識が古くから根付いています。
育休・介護休業法が改正されるなど、制度上の男女平等は進められているものの、実際には休みにくいと感じたり、昇進への影響を懸念する男性も少なくないでしょう。
女性だけではなく、男性も育児・介護休業を積極的に取得しやすい職場環境をつくることは、職場における男女平等につながります。
建設業界における男女平等を目指す取り組み
昨今、さまざまな業界で男女平等を目指す取り組みが行われていますが、建設業界も例外ではありません。
国土交通省と建設業5団体(日本建設業連合会、全国建設業協会、全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会、全国建設産業団体連合会)の共同により、平成26年に「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」が策定され、さまざまな取り組みが行われています。
その甲斐もあってか、日本建設業連合会の調査によると、建設業界で働く女性の数は平成23年には70万人でしたが平成29年には76万人に増加しました。
現場における男女平等、力仕事はどう考えるべき?
力仕事については、「力がある男性のほうが向いている」と考える現場監督も多いでしょう。
確かに、相対的に見ると男性のほうが力仕事に向いている人が多い傾向にあるかもしれませんが、実際には力仕事に不向きな男性もいれば、力仕事に向いている女性もいます。
力仕事の向き不向きについては必ずしも「男女差」があるわけではなく、「個人差」が大きいという考え方をしてみてはいかがでしょうか。
現場の力仕事については、力のある男性が行ったほうが効率的な場合もあります。
その一方で、細かい作業については、手先の器用な女性が行ったほうが適していることもあるでしょう。
力仕事の向き不向きを性別で判断するのではなく、あくまでも個人の能力差としてとらえることが、建設現場・工事現場において男女平等を目指す第一歩となるのではないでしょうか。
現場でよくある男女差別の事例
ここからは、現場でよくある男女差別の事例について紹介します。
自分が働く現場に当てはまるという場合は、改善策を検討してみてください。
女性だけが担当する仕事がある
多くの現場では、女性だけが担当する仕事があるのが現実です。
例えば、お茶くみや電話取り、コピー取りなどは、誰かがやらなければならない仕事ですが、男性が担当するケースは少なく、常に女性が担当しているという現場も多いのではないでしょうか。
女性はしなくていい仕事がある
女性だけが担当する仕事がある一方で、女性はしなくていいという仕事がある現場もあります。
力仕事など、個人差による役割分担であれば問題ないものの、女性だからという理由で仕事をさせないことは、男女差別にあたります。
女性のほうが給料が安い
男性だから、女性だからという理由で、給料に差をつけることも男女差別にあたります。
特に現場では、男女間の雇用機会・賃金の格差は、未だに根強く存在しているようです。
これは、女性管理職が少ないことも原因の一つとなっています。
女性用の更衣室やトイレがない
建設現場・工事現場では、女性用の更衣室やトイレが設置されていないこともよくあります。
女性の作業員は着替える場所の確保に苦労したり、男女兼用のトイレを使わざるを得なかったりなど、男女平等を実現する環境整備は未だ完了していません。
建設現場・工事現場で女性が活躍する職種やポジション
建設現場や工事現場の仕事は、力仕事だけではありません。実際に、現場で女性が活躍している職種やポジションはたくさんあります。
ここでは、建設現場や工事現場で女性が活躍している主な職種やポジションを紹介します。
現場監督
現場監督とは、現場のスケジュール管理や、品質管理などを行う管理職のことです。
設計図面を元に計画を立て、現場の作業員に指示を出し、進捗管理や安全管理を行うのが現場監督の主な仕事です。
実際に力仕事などの作業することは少なく現場全体のマネジメントが主な役割で、近年、女性の現場監督が増えています。
土木技術者
土木技術者とは、橋梁工事やダム建設などの土木工事現場において、工事計画を立てたり、作業を指揮したりする監督職のことです。
工事予定地の調査や計画、設計を行う「設計分野」と、現場で作業の指揮をとる「施工分野」に分かれ、どちらも女性が活躍しています。
「土木施工管理技術士」という国家資格もあり、1級と2級で管理できる工事の規模が異なります。
設計・研究者
設計者とは、土木構造物やオフィスビル、住宅などさまざまな建物を設計する職種で、デザインを考案したり、設計図を書くのが主な仕事です。
研究者は、新たな技術を生み出しながら、耐熱構造や省エネ構造の建物など未来の街づくりに向けた研究をする職種のことで、どちらも基本的にオフィスワークであり、男女差なく女性も活躍しています。
開発責任者
開発責任者は、複合競合施設や大型マンションの開発を行うデベロッパーに勤務するケースが多く、現場監督や設計者、技術者、法務や経理など、さまざまな関係者を取りまとめる役割を担っています。
実際に現場で作業するわけではありませんが、街の将来像を描く仕事であり、女性も活躍しています。
最後に
建設現場や工事現場では、力仕事だけでなく、男女問わず活躍できる幅広い職種やポジションがあります。
また、タブレットや監視カメラなどを積極的に導入し、IT化を進めることも、現場における男女平等を実現する一助となるでしょう。
現場に監視カメラの設置を検討する際は、ぜひカンタン監視カメラG-camにご相談ください。