足場設置中の防犯対策|現場管理者が知っておくべきリスクとカメラ活用法


足場の設置は工事に欠かせないものですが、実は防犯上の大きなリスクになることがあります。例えば、空き巣・不審者の侵入・資材の盗難など、足場があるが故に発生する犯罪は少なくありません。

本記事では、実際の被害事例や警察発表のデータをもとに足場に潜むリスクと対策、現場で使える防犯カメラの活用法をご紹介します。現場責任者や管理者の方はもちろん、個人宅でのリフォームを検討している方にも役立つ内容ですのでぜひご覧ください。

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足場設置によって発生する主な防犯リスクとは?

足場が設置されることで次のようなリスクが生まれ、侵入・盗難・トラブルの危険性が高まります。

  1. 足場が不審者の侵入経路になりやすい
  2. 足場を利用した盗撮リスクが発生しやすい
  3. 養生シートや仮設資材による死角が発生しやすい

本章では、それぞれのリスクについて詳しくみていきます。

リスク1.足場が不審者の侵入経路になりやすい

足場を使えば、通常は立ち入れない高層階の窓やベランダにも容易に侵入されてしまいます。実際に、足場を使って2階以上の窓やベランダから住宅内に侵入される事例も報告されています。

警察庁が公表した「令和5年の刑法犯に関する統計資料」によると、住宅への空き巣・忍込み・居空き認知件数のうち無施錠は4,213件と、全体の約36%に及んでいることがわかりました。

【侵入手段別住宅対象空き巣・忍込み・居空き認知件数の内訳】

(単位:件)

全体の認知件数:11,788
無締り(無施錠)4,213
ガラス破り4,358
施錠明け1,224
ドア錠破り342
戸外し57
その他427
不明1,167

参考:令和5年の刑法犯に関する統計資料(警察庁)

また、「工事中は作業員がいるから大丈夫」と思い込んで油断してしまう心理が働きやすく、その油断が防犯上の隙となるケースも少なくありません。

リスク2.足場を利用した盗撮リスクが発生しやすい

足場が設置されると、高所から住宅内部や更衣室・浴室などのプライベート空間が見下ろせる位置に作業者や第三者が立ち入ることが可能になります。

特に住宅密集地やマンションの工事では、周囲の建物の居住者がプライバシーを侵害されるおそれがあり、工事関係者が足場に侵入し、盗撮などの犯罪行為に及ぶケースも過去に報告されています。

リスク3.養生シートや仮設資材による死角が発生しやすい

塗装や防塵のため、足場には建物全体を覆う養生シートが張られ外部から内部が見えにくくなります。

▲養生シート 

出典:学校給食センター改築工事の進捗状況について | 山武市教育委員会

​​

養生シートによって不審者が侵入しても発見されにくい死角が生まれやすく、資材置き場周辺では「外部から見えにくいスペース」が発生してしまいます。また足場の昇降階段や角部は特に死角になりやすく、不審行為が気づきにくい環境となるため、防犯対策が欠かせません。

養生シートによる死角対策には、コンパクトで設置しやすい監視カメラの活用も効果的です。例えば、現場向けのレンタルカメラ「G-cam」は、電源や配線の制約がある場所でも柔軟に設置でき、死角の見える化や不審行為の抑止に役立ちます。

G-camは初期費用0円・月額9,800円(税別)〜とリーズナブルな料金で初期費用を抑えて導入できるほか、1ヵ月単位でレンタルできるので工期の短い建設現場にも適しています。

1週間の無料レンタルも実施している「G-cam」の詳細は、下記のボタンをクリックして資料をダウンロードのうえご確認ください。

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  1. 近年ではこうした死角が生まれるエリアに対し、監視カメラの導入が推奨されるケースが増えています。例えば、解体工事業者の株式会社大志興業様では、「G-cam」を設置することで「不安全行動(※)や盗難被害の抑止になった」との効果を実感されています。
  2. カメラ設置後は、現場に人が常駐しなくても安全管理が徹底できているという有益な報告もありました。このように、監視カメラの設置は、養生シートによる死角への対応策として検討する価値があるのです。
  3. 参考:G-cam04導入で現場管理の移動時間を月40時間削減!安全を維持しつつ事業拡大をめざす解体工事業者の事例

※「不安全行動」については下記の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

個人(施主・居住者)ができる足場の防犯対策


住宅や建物に足場があるときの防犯対策は、企業側だけでなく個人も意識して行うことが重要です。本章では、個人でできる3つの対策について紹介します。

  1. 窓を施錠・補助ロックで強化する
  2. 防犯意識を高め、近隣と連携する
  3. 簡易センサーや自宅用防犯カメラを活用する

「足場があるときは犯罪リスクが高まる」ことを認識し対策を施すことで、不審者の侵入や盗難を防ぎやすくなります。

対策1.窓を施錠・補助ロックで強化する

2階以上の窓に足場がある間は必ず施錠しましょう。窓に補助錠や防犯フィルムを取り付けて侵入に時間をかけさせるのも、有効な対策の一つです。

侵入に時間がかかるとわかった時点で不審者は発見されるリスクを感じ、犯行を諦めやすくなります。

対策2.防犯意識を高め、近隣と連携する

「工事中は不正侵入のリスクが高まる」ことを家族・近隣と共有しましょう。

不審者情報を地域の掲示板やSNSなどを活用して共有すると防犯意識が高まり、見逃してしまいがちな異変にも気づきやすくなります。

対策3.簡易センサーや自宅用防犯カメラを活用する

戸建て住宅であれば、センサーライトや簡易カメラの導入も抑止効果が期待できます。夜間・無人時間帯の見守りに効果的です。

工事業者・現場管理者が実施すべき4つの防犯対策

次に、工事業者が足場の設置時に実施すべき主な防犯対策を4つ紹介します。

  1. 物理的に侵入経路を塞ぐ
  2. 「見せる防犯」で抑止力を高める
  3. 現場の出入りを明確にして不正侵入を防ぐ
  4. 遠隔地から現場を見守れる体制を整える

防犯の抜け道をつくらないためには、計画的な対策が欠かせません。

対策1.物理的に侵入経路を塞ぐ

足場の防犯対策では、不審者が足場にアクセスする物理的経路を遮断することが重要です。安全性や作業効率とのバランスをとりながら、次のような対策を検討しましょう。

主な対策詳細
足場出入口の施錠・扉設置・関係者以外の立ち入りを防止するために、出入り口付近に扉を設置し施錠する
・特に、夜間や休日の無人時間帯は必ず実施する
最下段ステップの取り外し・足場からの侵入を困難にするために、作業終了後などに最下段の足場板を取り外す
・作業安全を考慮し、業者と相談のうえ実施すること
仮囲いや金網の設置・足場周辺に仮囲いやゲート、金網などを設置して外部からのアクセス経路を物理的に遮断する
足掛かりの撤去・脚立・バケツ・植木鉢など、足場に登るために利用されやすい物はすべて片付けておく
補助的な防犯措置・防犯砂利(踏むと音が鳴る)・注意喚起の標識・立入禁止看板なども組み合わせて心理的抑止を高める

足場の出入口や登り口など、侵入の起点となる箇所に物理的な対策を施すことで、高所への不正侵入や資材盗難のリスクを下げられます。

対策2.「見せる防犯」で抑止力を高める

「見せる防犯」とは、防犯設備や警戒の存在を目に見える形で示すことです。犯罪者に「この現場は狙いにくい」と思わせ、侵入を思いとどまらせる抑止効果を狙います。

主な対策詳細
監視カメラの設置・録画中の表示・足場や現場の目立つ位置に防犯カメラを設置する
・『録画中』『防犯カメラ作動中』と書かれたステッカーや看板を貼ることで、犯罪者に常に見られている意識を持たせる
警備体制の明示・警備会社のロゴ入りプレートや『警備員巡回中』『警報装置設置』などの標示を外周・出入口や足場付近に掲出し、警備の存在をアピールする
防犯照明の設置・人感センサー付き照明や足場下部・出入口に明るいライトを設置し「暗がりに紛れる」行為を困難にする
立入禁止・注意喚起表示・『関係者以外立入禁止』『防犯強化中』といった立看板・バリケード・警告表示を配置し、不審者の侵入を心理的に牽制する

このように、見せる防犯は「防犯対策が目に見える・強化されている現場」として犯罪者に認識させ、犯罪を未然に防ぐ方法として有効です。

対策3.現場の出入りを明確にして不正侵入を防ぐ

「現場の出入りを明確にして不正侵入を防ぐ」とは、現在現場に誰がいるかを厳格に管理し、不審者や無関係者の侵入をシャットアウトする基本かつ重要な防犯対策の一つです。

主な対策詳細
入退場管理の徹底・大規模な工事の場合、現場入り口に番人や警備員を配置し、部外者・業者・来訪者も含めて身分証・許可証の確認などで入退室管理を徹底する
ネームプレートや腕章の着用・作業員は現場専用のネームプレートや腕章を「常時着用」し、現場関係者と部外者を一目で区別できるようにする
許可証制度の導入・現場内での移動や作業範囲に応じて許可証(バッチ等)を発行し、管理区域への立ち入りを制限する
監視カメラの活用・出入口周辺に監視カメラを設置し、出入りの様子を録画・監視する
住民や周辺への周知・工事の内容や期間を周知し「不審者を見かけたら通報してほしい」といった注意喚起文書を住民や近隣に配布するのも有効な方法のひとつ

現場の入退出を見える化し厳格な手続きを徹底することで、不正侵入を未然に防げるようになります。

対策4.遠隔監視カメラで現場を見守る体制を整える

現場が無人になる夜間や休日の防犯対策には、遠隔監視カメラの導入が最も効果的です。

遠隔地からリアルタイムで現場の状況を確認できるため、不審者の侵入や資材盗難を早期に発見し、迅速に対応できます。

株式会社キタムラ建設様では、MIYOSHIのカンタン監視カメラ「G-cam」を導入し、遠隔監視によって資材の盗難防止や現場の安全確保を実現しています。実際の効果や運用の工夫の詳細は、下記の記事をご覧ください。

>>>G-cam04の導入が、建設現場における「従業員の休日稼働の減少」と「防犯対策」に貢献した事例

足場のある工事現場に適した防犯カメラの選び方


前述したように足場が設置された工事現場は、不審者の侵入や盗難のリスクが高まります。こうした特殊な環境下では、一般的な防犯カメラでは不十分な場合も考えられます。

そこで、現場の状況に適したカメラを選ぶための5つのポイントを表にまとめました。

項目説明
工事不要で設置できるか・LTE/SIM内蔵やWi-Fi対応であれば、工事不要で遠隔地からスマホやPCで現場状況がすぐに確認できる
・壁へのネジ打ちやLAN配線が不要なモデルを選ぶことで、作業負担を最小限にできる
電源の確保はできるか・コンセントに挿すだけで使用できるモデルが理想
・電源が取れない現場では、ソーラーパネル+バッテリーとの併用で電源確保が可能
死角をカバーできる視野性能があるか・水平・垂直方向に可動できる「パン・チルト」対応モデルがおすすめ
・広角レンズやズーム機能があると、狭い現場でも広範囲をカバーできる
夜間や悪天候に対応できるか・赤外線暗視や防水防塵(IP66相当※)対応、フルHD以上の高画質録画により、夜間や悪天候でも鮮明な監視が可能
・録画データはトラブル時の現状把握にも活用できる
※IP66相当とは、粉塵が内部に一切入らず、台風のような激しい風雨にも耐えられる防塵・防水性能のこと
費用対効果と導入のしやすさは適しているか・検討しているカメラの性能が現場に適しているか、費用は期待する効果に見合っているかを検討する
・工期が短い場合は、レンタルのほうが費用負担が少なくすむ場合がある

適切なカメラを選ぶことで、防犯対策だけでなく現場のトラブル防止や作業の見える化にも大きな効果が期待できます。

また電源の確保が難しい環境下の場合は、MIYOSHIがレンタルを実施している大容量のソーラーバッテリー「ソラセル」とカンタン監視カメラ「G-cam」の併用がおすすめです。天候や電源を気にすることなく、24時間・365日の見守りが可能です。

「ソラセル」については下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

足場で実際に起きている3つの主な被害


本章では、足場でこれまでに発生した、主な被害を3つ取り上げます。

  1. 足場を使った高所からの侵入
  2. 足場を利用した高所からの盗撮
  3. 足場材そのものの盗難

足場が組まれている現場は外部からも目立ちやすく、侵入や窃盗などの標的になりやすいのが現状です。それぞれの被害の詳細を把握したうえで適切な対策を実施しましょう。

被害1.足場を使った高所からの侵入

本来は難しい高所からの侵入も、足場が組まれたことにより容易になります。

高層階では「この高さでは人も来ないだろう」という安心感から窓を無施錠にすると、侵入や窃盗の被害のリスクが高まります。下記は、足場を使って高所から侵入されたケースです。

  1. 埼玉県三郷市のマンションで「大規模修繕の足場から11階の部屋へ侵入し、現金が盗まれる」事件が2024年に発生し、同様の被害が「2023年頃から埼玉県内で数十件確認されている」と警察が公表しています。
  2. 参考:埼玉 三郷 マンション大規模修繕工事の足場から部屋に忍び込み現金盗んだか 被害を防ぐための対策は?|NHKさいたま放送局

この事例は「高層階=安全」という油断が通用しないことを示しており、足場が設置される現場では特に注意が必要です。

被害2.足場を利用した高所からの盗撮

足場の設置によって高層階の窓が外部から見やすくなり、盗撮の被害につながることがあります。

高層階だからと安心し、カーテンの隙間などを無防備にしていると、足場を経由してプライバシーが侵害されるケースです。

    【マンションで被害が発生した事例】
  1. 大阪市浪速区の10階建てマンションで、外壁塗装工事の作業員が、足場を利用して4階から10階に住む20〜40代の女性6人を盗撮していた事件が発生しました。
  2. 男は、別の事件で逮捕された際に押収されたスマートフォンから盗撮動画が見つかり、今回の事件が発覚しました。男のスマホには、他のマンションでも同様の盗撮をしたとみられる動画も確認されており、警察は余罪があるとみて捜査を進めています。
  3. 参考:マンションの『外壁塗装中』に盗撮か 工事用の“足場”を利用 カーテンの隙間から女性の裸を撮影 塗装工の男を逮捕|FNNプライムオンライン

こうした盗撮被害は、工事関係者を装う不審者によって引き起こされることがあります。足場が組まれている間は、高層階であっても窓やカーテンを閉めるなどして、防犯意識を高めましょう。

被害3.足場材そのものの盗難

最後に、工事現場で足場材自体が盗難被害に遭うケースを取り上げます。鋼管・銅製クランプ・足場板などの金属資材は高価で転売目的に狙われやすいのが特徴です。

    【足場材そのものが盗難被害に遭った事例】
  1. 2024年3月26日、埼玉県本庄市の建設会社の資材置き場で、鉄製の足場や手すりなど合計1,000本以上にわたり、時価約1,100万円相当が盗まれる事件が発生しました。
  2. 犯行は深夜から翌朝にかけて行われ、発覚時には出勤した作業員が盗難被害に気付き警察に通報しています。県内では同様の足場盗難が連続して発生しており、警察は背景に金属相場の高騰があるとみて関連を調査しています。
  3. 参考:時価1147万円…本庄の建設会社から足場1000点超盗まれる 夕方帰宅、翌7時前には被害 埼玉北西部で類似事件|埼玉新聞

こうした被害は、決して他人事ではありません。工事現場の盗難の手口や対策については下記の記事でも詳しく解説しているので、関心のある方はご覧ください。

足場の防犯対策には監視カメラを活用しよう

足場の設置は、空き巣や資材盗難・不審者の侵入など多くの防犯リスクをともないます。防犯は「備えておくこと」が何より重要です。足場の設置に合わせて、監視カメラでの遠隔監視や防犯体制も万全に整えていきましょう。

なお、株式会社MIYOSHIでは、ネット回線などの面倒な工事が不要で届いたその日に監視をスタートできるカンタン監視カメラG-camのレンタルを実施しています。

また、電源が取れない場所でもソーラーバッテリーソラセルを組み合わせれば、晴天時に十分な充電が可能です。曇天や雨天でも最大約1週間稼働するため、電源工事が難しい現場でも手軽に監視環境を整えられます。

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