施工管理の残業はなぜ多い?4つの理由や削減方法・事例を紹介

施工管理の仕事は、工程・品質・安全・原価の管理から関係各所との調整、書類作成まで多岐にわたり、残業時間が長くなる傾向があります。特に施工管理職は、建築・土木系エンジニアのなかでも、年齢問わず長時間労働が常態化しているのが現状です。
本記事では、施工管理の残業が多い理由や実態・削減の方法・事例を紹介します。

なお、株式会社MIYOSHIでは離れた現場の様子をリアルタイムで遠隔から確認できるカンタン監視カメラ「G-cam(ジーカム)」のレンタルを実施しています。高い防水・防塵機能により過酷な建設現場にも適応し、わざわざ見回りに行かずとも、日々の業務や悪天候の際の状況把握に役立つ「G-cam」の詳細は、下記から資料をダウンロードしてご確認ください。

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施工管理の平均残業時間は?


「転職サービスdoda」が2024年8月に実施した調査によると、施工管理の平均残業時間は、30.5時間/月でした。調査対象となった全88職種の中でも上位に位置する数値であり、最も残業が少なかった「医療事務」(10.3時間)と比べて約3倍の差が生じています。

※「転職サービスdoda」月の平均残業時間の実態調査(年代別・男女別・職種別) 残業が少ない・多い仕事は?をもとに弊社が独自作成

職種別の平均残業時間をみると、「建築/土木系エンジニア」の残業時間は全体平均で26.0時間と、すべての職種の中で最も長くなっています。特に50代では27.6時間と、世代別でみても長時間残業が続いていることがわかりました。

出典:月の平均残業時間の実態調査(年代別・男女別・職種別) 残業が少ない・多い仕事は?

IT/通信系エンジニア(22.6時間)や営業(23.5時間)と比べても、「建築/土木系エンジニア」の残業時間は3〜4時間ほど長く、他の技術職よりも業務の繁忙度が高いことが伺えます。

なぜ、施工管理には残業が多いのでしょうか。次の章で解説します。

施工管理の残業が多い主な4つの理由

施工管理の残業が多い主な理由は、下記のとおりです。

  1. 業界の人手不足による業務の集中
  2. 納期の厳しい工期設定への対応
  3. 管理業務の多様化による負担増加
  4. デジタル化の遅れによる非効率な働き方

理由1.業界の人手不足による業務の集中

労働人口の減少や少子高齢化の影響で、建設業界でも人手不足が深刻化していることが残業時間を押し上げる原因の一つです。

建設業界への就職者数は減少しており、特に技能者や技術者の就業者数が平成9年(685万人)をピークに減少し、令和4年には約479万人と大幅に減少しています。

出典:建設業を巡る現状と課題

若年層の入職者が少ない一方で、ベテラン層の引退が進み、中堅社員に業務が集中しているのが現状です。加えて現場の管理を任される施工管理職は、「現場にいないと回らない」ポジションであるため、休みづらく、定時での退勤が難しいと考えられます。

下記の記事では、なぜ施工管理は人手不足なのかを深掘りし、対策を紹介しているので併せてご覧ください。

理由2.納期の厳しい工期設定への対応

建設現場では、納期が厳しく設定されることが多く、遅延は大きな損失につながります。そのため、遅延を取り戻すために残業や休日出勤が発生する場合も少なくありません。

2020年に一般社団法人日本建設業連合会が実施した調査でも、ほとんどの建設現場で、工期の日数不足が認識されていることがわかっています。

参考:建設工事における 適正な工期の確保に向けて

また、天候など不測の事態へのリカバリー対応も求められ、突発的な作業指示や調整が発生しやすく、結果的に残業が常態化しやすい傾向にあります。

理由3.管理業務の多様化による負担増加

施工管理の業務の多様化も、残業が多い理由の一つです。施工管理は、主に下記4つの側面の管理を実施し、複数の業務領域を一手に担います。

  • 工程管理
  • 品質管理
  • 安全管理
  • 原価管理

現場だけでなく書類作成・行政への届出・協力業者との打ち合わせなどのデスクワークも多く、現場が終わった後にオフィス業務を行うケースも少なくありません。

理由4.デジタル化の遅れによる非効率な働き方

近年、他業界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)やクラウド化、リモートワークの導入が進み、労働時間の短縮が実現されつつありますが、建設業界ではまだ導入が遅れているのが現状です。

特に施工管理は、下記のような仕事の性質から残業時間の多さにつながっていることが考えられます。

  • 現場に常駐する必要がある
  • 紙ベースの資料が多い
  • ITスキルを求められる機会が少ない

一方で、2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されるなど働き方改革が推進されており、残業時間を削減するための取り組みも進められています。

次の章で、施工管理の残業を減らすための方法を紹介するので読み進めてみてください。

施工管理の残業を減らすための2つの方法

前章で紹介した施工管理の残業4つの要因に対して、ここでは2つの対策方法を紹介します。

  1. デジタルツールの導入
  2. 適正な工期設定と工程の見直し

方法1.デジタルツールの導入

デジタルツールの導入で、施工管理の残業の原因となっていた人手不足・業務負担・非効率の改善が見込めます。デジタルツールの一例を、下記にまとめました。

BIM/CIM計画から設計・施工・維持管理で3次元モデルを活用し、関係者間の情報共有をスムーズにする
クラウド型施工管理システム工程・品質・写真・報告書などの情報をクラウドで共有し、紙業務の削減と情報共有の効率化を実現する
コミュニケーションツールの導入チャットやビデオ会議を活用して、現場と事務所・関係会社とのやりとりを効率化する
ドローン技術上空からの撮影で進捗確認や点検を省力化し、作業の安全性も向上する
定点カメラウェアラブルカメラ遠隔から現場の状況をリアルタイムで把握し、現場常駐時間や移動を短縮する

なお株式会社MIYOSHIでは、工事現場のような過酷な屋外でも定点カメラとしてタフに使用できるカンタン監視カメラ「G-cam」のレンタルを実施しています。

初期費用・往復送料無料で、月額9,800円からレンタルができるため、工期の決まっている工事現場でも無駄なくコストを抑えての導入が可能です。

「G-cam」の「Gview」機能を使えば、複数の現場を受けもつ施工管理者がカメラを通して遠隔から確認や指導を行えるため、移動の負担を大幅に軽減でき、残業時間の削減につながります。

また、営業日15時までのご注文で即日発送し、届いてからはわずか3ステップで使用が開始できるため、設置作業に時間を取られずに気軽に導入できます。

G-camの特徴と期待できるメリットを、下記にまとめました。 

G-camの特徴G-camで期待できるメリット
SIM内蔵でWi-Fi不要現場にネット環境がなくてもすぐに使えるため、設置準備の手間が減り、急な現場対応も可能
焦点距離2.8〜12mmでの光学4倍ズーム遠くの細かい作業や資材の状況もはっきり確認できるため、現場に行かずに遠隔で状況を把握しやすい
レンズ横回転最大350°、縦回転最大90°死角が少なく、1台で広い範囲をカバーできるため、複数台設置や再配置の手間が不要
最大50mの赤外線照射夜間や早朝の監視もカバーでき、巡回や立ち会い業務の一部を代替できる
IP66(※)相当の防塵・防水機能

(※)日本産業規格で防塵・防水に関する等級

雨風や粉塵が多い建設現場でも安心して使え、設置後のトラブル対応のリスクが少ない

現場ごとはもちろん、本社・営業所・地域ごとにグルーピングでの管理が可能で、管理権限の振り分けもできる「G-cam」についての詳細は、下記から気軽に資料をダウンロードしてご確認ください。

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方法2.適正な工期設定と工程の見直し

適正な工期設定と工程の見直しも必要です。注文者が一方的に提示した工期に対しては、「短すぎる」と感じた割合が約4割(39%)にのぼることがわかっています。

一方で工期設定・変更の際に受発注者間で協議をした場合、「妥当な工期」や「余裕のある工期」と感じた割合が7割超(73%)に増加しており、協議を行うことの効果は明確です。

出典:働き方改革について|国土交通省

この調査結果から、「受発注者間での協議」が適正な工期設定に関連しているといえるでしょう。建設業法でも、注文者が通常必要と認められる期間に比べて「著しく短い工期で請負契約を締結してはならない」と定められています。

他にも下記のような点を押さえて、施工の安全性や品質を確保しましょう。

  • 天候不良や不測の事態を考慮し、余裕を持った工期を設定する
  • 無理な工期設定による残業や休日出勤を防止する
  • 遅延が発生した場合の対応策を事前に検討しておく

「G-cam」導入による残業時間の削減事例|株式会社アイダ設計様


本章では、移動負担の軽減と残業時間の削減を目的に「G-cam」を導入し、現場管理のスタイルを大きく転換した建設会社様の事例を紹介します。

株式会社アイダ設計様では、新潟県内に点在する建設現場の管理効率化と、残業時間削減を目的としてG-camを導入しました。

導入前の課題
  • 管理スタッフの移動距離が長く、移動時間が業務を圧迫
  • 天候(特に冬季の積雪)による移動困難や、現場状況の把握の遅れから、残業時間が増加
  • 近隣住民からのクレーム対応に時間がかかり、業務効率が低下
  • 報告書作成や工程確認のために現場へ足を運ぶ必要があり、残業時間の増加につながっていた
導入後の効果
  • G-camの映像により、事務所からすべての現場の状況をリアルタイムで把握できるようになったため、移動距離と移動時間を大幅に削減できた
  • 現場の状況を事前に把握し、突発的な対応やクレーム対応を減らし、残業時間を削減できた
  • G-camの映像を報告書作成や工程確認に活用することで、現場への移動回数を減らし、業務効率を向上させ、残業時間を削減できた
  • 職人の現場入りの状況なども把握できるため、現場の管理がしやすくなった

アイダ設計新潟エリア様では、G-camの活用により「現場に行かない現場管理」を実現しました。これまで移動や報告書作成に追われていた時間が大幅に減り、残業時間の削減と業務の質の向上が両立しています。

今では「G-camなしの業務は考えられない」と語られるほど、日常業務に不可欠なツールとなっています。本事例の詳細については、下記からご覧ください。

建設業における「移動時間」や「労働時間」のQ&A


最後に、建設業における「移動時間」や「労働時間」に関するよくある質問に回答します。

  1. 作業現場への移動時間は労働時間に含まれる?
  2. 「法定労働時間」と「所定労働時間」の違いは?
  3. どのような時間が「労働時間」として扱われる?

気になるものから、チェックしてみてください。

Q1.作業現場への移動時間は労働時間に含まれる?

作業現場への移動時間が労働時間に含まれるかどうかは、ケースによって異なります。下記の条件をすべて満たす場合、移動時間は労働時間に該当しないとされています。

  • 作業現場への直行直帰が認められている
  • 当日車両への荷積み等の作業がない
  • 車内で当日の段取り等の打ち合わせがない
  • 運転者・集合時刻を自主的に決めている

荷積み作業などがある場合は前日中に済ませる、当番制にするなどのメリハリある時間管理が大切です。

参考:建設業の時間外労働の上限規制は2024年4月から!

Q2.「法定労働時間」と「所定労働時間」の違いは?

法定労働時間は法律で定められた上限、所定労働時間は会社ごとに決められた労働時間のことです。

例えば会社の所定労働時間が1日7時間でも、法定労働時間(1日8時間)を超えない限り、36協定の対象外となり、残業代や割増賃金の支払いは不要です。

Q3.どのような時間が「労働時間」として扱われる?

労働時間とは、会社(使用者)の指示に基づいて労働者が従事する時間のことを指します。

分類は、下記のとおりです。

労働時間 労働時間にあたらない
  • 始業前・終業後の片付け
  • 手持ち時間(指示待ちなど)
  • 会社が義務化した朝礼・朝掃除など
  • 休憩時間
  • お茶・タバコの時間
  • 職場への直行・直帰時間

参考:建設業の時間外労働の上限規制は2024年4月から!

カメラを使った遠隔監視で施工管理の残業時間を削減しよう!

施工管理は、工程・品質・安全・原価の管理に加え、関係各所との調整や書類対応など業務が多岐にわたるため、残業が常態化しやすい職種です。

適正な工期設定の見直しや定点カメラやウェアラブルカメラをはじめとしたデジタルツールを導入し、施工管理の残業時間を削減していきましょう。

なお、残業削減の第一歩として、株式会社MIYOSHIが提供するSIM内蔵の小型ボディカメラ「G-POKE(ジーポケ)」もおすすめです。胸元やヘルメットに装着して現場で撮影した映像を、遠隔から確認できるため管理者の移動時間削減が可能です。また、馴染みのあるタッチパネルで、年齢やITスキルに関係なくご利用いただけます。


三脚に設置して定点カメラとしても利用でき、1台で幅広いシーンで活用できる「G-POKE」については、下記から資料をダウンロードしてご確認ください。

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