PoE給電防犯カメラのメリット・デメリットは?向いているケースも解説

PoE給電の防犯カメラは、LANケーブル1本で電源と通信を同時にまかなえるため、配線が簡単で設置の自由度が高い点が大きな特徴です。一方で、初期コストや給電距離など、事前に理解しておくべき注意点もあります。「PoEは本当に自分の環境に向いているのか?」と迷う方も多いでしょう。

今回は、PoE給電防犯カメラの仕組みからメリット・デメリット、向いているケースまでを分かりやすく解説します。

PoEとは?

PoE(ピー・オー・イー)とは「Power over Ethernet(パワー・オーバー・イーサネット)」の略で、1本のLANケーブルで「ネットワーク接続」と「電力の供給」を同時に行える技術のことをいいます。

通常、LANケーブルはデータ通信のみで使用されますが、PoEでは通信と電源を同時に送れます。

この仕組みを使うと、防犯カメラやIP電話などを設置するときに、電源工事を別で行う必要がなくなります。配線もすっきりし、設置できる場所の選択肢が広がります。

▼PoE給電以外の給電方法について詳しくはこちら
防犯カメラに電源は必要?2つの給電方法やコツ・電源不要のカメラも解説

PoE給電の防犯カメラのメリット

PoE(ピー・オー・イー)給電の防犯カメラには、以下のようなメリットがあります。

  • 配線がシンプル
  • 設置場所の自由度が高い
  • 通信が安定している
  • 電源工事が不要

ここでは、現場での使いやすさを中心に解説します。

配線がシンプル

PoEの一番の特徴は、1本のLANケーブルで「電源」と「映像データ」の両方をやり取りできることです。

従来のカメラでは、「映像用」と「電源用」で2本のケーブルが必要でしたが、PoE対応カメラなら配線が1本だけで済みます。複数台を設置してもケーブルの本数が少なく、配線スペースに余裕が生まれます。

設置場所の自由度が高い

PoEは、電源コンセントが近くになくても、LANケーブルが届けばカメラを設置できます。

天井・屋外の高所や通路など、電源を取りづらい場所にも対応でき、電源工事が不要になる分、設置費用も抑えられます。

通信が安定している

PoEはLANケーブルを使った有線接続のため、無線(Wi-Fi)より通信が安定しています。

無線では電波干渉や壁などの障害物の影響で映像が途切れることがありますが、PoEなら画質の劣化が少なく、長距離でも安定した映像を送れます。

電源工事が不要

PoE給電では、別途電源工事を行う必要がありません。PoE対応のスイッチングハブにLANケーブルをつなぐだけで、カメラへの電力供給が自動で行われます。

設置作業の負担やコストを大きく減らすことができ、カメラを増設したり位置を変更したりする場合も柔軟に対応できます。

PoE給電の防犯カメラのデメリット・注意点

PoE対応カメラには多くのメリットがありますが、導入前に理解しておきたい注意点もいくつかあります。

ここでは、主に以下のデメリットについて解説します。

  • 初期コストが高い場合がある
  • 電力・距離に制限がある
  • 電源ユニットが必要

初期コストが高い場合がある

PoEカメラを導入する際は、通常のカメラシステムよりも初期費用が高くなる場合があります。

特に高画質モデルやリモート操作ができるタイプではその差が目立ちます。また、給電に必要なPoEスイッチングハブやPoEインジェクターなどの機器も別途用意が必要です。

ただし、PoEでは電源工事が不要になるため、配線や施工にかかる費用を削減できるケースも多く、トータルで見るとコストバランスが取れることもあります。

電力・距離に制限がある

PoE給電には、電力供給の範囲やケーブル品質に関する技術的な制約があります。

安定した給電を行うには、カテゴリ5e以上のLANケーブルを使用するのが望ましく、品質が劣るケーブルでは給電が不安定になることがあります。

また、一般的なIEEE 802.3af/at規格では、1本あたりの最大配線距離は100mまでと定められています。これを超えると電圧が下がり、カメラが正常に動作しなくなるおそれがあります。

電源ユニットが必要

PoEカメラ本体には電源配線が不要ですが、システム全体を動かすための機器には電源が必要です。

給電を担うPoEスイッチングハブやPoEインジェクターは、コンセントに接続して初めて機能するため、設置場所には必ず電源を確保しておく必要があります。

PoE給電の防犯カメラの導入前に押さえておくべきポイント

PoE対応の防犯カメラを導入する際は、設置してから「思っていた動作と違った」とならないよう、いくつか事前に確認しておくべきポイントがあります。

ここでは、安定して運用するために押さえておきたい項目を紹介します。

PoE規格を確認する

まず確認しておきたいのが、カメラとPoEハブが対応しているPoE規格です。

PoEには主に「PoE(IEEE 802.3af)」と「PoE+(IEEE 802.3at)」の2種類があります。

一般的なカメラは15.4Wまで給電できる標準PoEで動作しますが、ズーム操作が可能なPTZカメラや赤外線照明付きカメラなどはもっと多くの電力を必要とするため、30Wまで対応するPoE+規格のハブが必要です。

カメラの仕様書に記載されている最大消費電力を確認し、それを十分カバーできるハブを選びましょう。

ポート数を確認する

PoEハブを選ぶときは、接続するカメラの台数に見合ったポート数があるかどうかが重要です。モデルによっては全ポートではなく、一部のポートだけが給電対応という場合もあります。

また、ハブ全体の電力供給能力(トータルパワーバジェット)にも注意が必要です。例えば、1ポートあたり15.4Wの出力でも、ハブ全体としては合計電力に上限があるため、同時稼働時に電力が足りなくなるケースがあります。

接続予定のカメラの最大消費電力を合算し、ハブの総給電能力を超えないように選定しましょう。

設置場所のネットワーク環境を確認する

PoEカメラはネットワークを通じて映像を送る仕組みのため、ネットワークの安定性が非常に重要です。

回線の帯域が不足していると、映像が遅れたり、録画データが欠けたりするおそれがあります。高解像度のカメラを複数台運用する場合は、十分な通信帯域を確保することがポイントです。

停電対策を行う

PoEシステムでは、PoEハブや録画装置が停電すると、接続しているすべてのカメラが停止してしまいます。

このため、UPS(無停電電源装置)の導入がおすすめです。UPSを設置しておけば、停電の際も一定時間バッテリーから電力を供給でき、録画が途切れるのを防げます。

UPSの容量は、接続機器の消費電力と必要なバックアップ時間を考慮して選ぶのがポイントです。

PoE給電対応・非対応それぞれに向いているケース

 向いているケース
PoE給電対応・電源の確保が難しい場所(天井裏、屋外、柱上など)に設置したい場合

・安定した高画質な監視システムを構築したい場合

・将来的にカメラ台数を増やしたい場合

・NVR(ネットワークビデオレコーダー)を別の拠点に設置したい場合

PoE給電非対応(同軸ケーブル)・広い敷地(工場・農場・駐車場など)を監視したい場合

・既存の同軸ケーブルの配線を活用したい場合

・初期コストを抑えたい場合

PoE対応のネットワークカメラと、同軸ケーブルを使うアナログHDカメラは、それぞれ得意な分野が異なります。設置環境や運用目的に合わせて選ぶことが、安定した監視システムを構築するポイントです。

屋外に設置するなら「カンタン監視カメラG-cam」

PoE対応カメラの一例として、屋外環境に強い「G-cam」シリーズを紹介します。

G-camは、ネットワーク回線を利用して映像を送信するタイプの監視カメラです。カメラとレコーダーをつなぐ同軸ケーブルが不要で、電源とネットワーク接続だけで簡単に設置できるのが特長です。

カメラには約2.8〜12mmの焦点距離と光学4倍ズームを搭載。離れた場所の対象物もくっきり映し出せるため、広い範囲をカバーしたい現場でも安心です。

さらに、電源工事が難しいトンネルや地下などの環境向けに、LANケーブル1本で給電と通信を同時に行える「G-cam04 PoE」も登場しました。

配線工事の負担を抑えつつ、確実で安定した監視体制を築きたい企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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まとめ

PoE給電の防犯カメラは、配線の簡略化や通信の安定性といった大きなメリットがある一方、初期費用や給電距離、電源設計への配慮が必要です。設置環境や目的によっては、同軸カメラの方が適している場合もあります。

自社の設置場所や運用規模を整理した上で、PoEの特性を正しく理解し、最適な防犯カメラシステムを選びましょう。

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