【2030年問題】建設業界が直面する問題と今すぐ取り組むべき対策とは?


2030年問題とは、労働力不足が日本の社会全体に深刻な影響を与えるとされている問題のことです。
建設業界も多大な影響を受けるのは避けられず、業界全体で取り組まなければならない喫緊の課題といえます。

そこで本記事では、建設業界における2030年問題の影響や具体的な3つの対策などを解説します。

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建設業界の2030年問題とは|深刻な労働力不足が招く数々の問題


2030年問題とは、急速に進みつつある日本の少子高齢化と人口減少が、2030年には労働力不足という形で日本の社会全体に深刻な影響を及ぼすといわれている問題のことです。

建設業界は、これまでにも大きな問題や課題に直面してきました。
例えば、2024年問題では2024年4月1日から建設業界にも適用された「働き方改革関連法」により、時間外労働の上限が規制されました。

そして、今まさに直面しているのが2025年問題です。
団塊の世代(1947〜1949年生まれ)が2025年に75歳以上の後期高齢者になるため、医療・介護費の増大や労働力不足の深刻化が懸念されている問題のことです。

次章では、これからやってくる2030年問題の建設業界への影響について解説します。
建設業界の2030年問題がなぜそれほど深刻なのか、背景とともにみていきましょう。

2030年問題が建設業界に及ぼす主な3つの影響


2030年問題が建設業界に及ぼす主な影響は、下記の3つです。

  1. 人手不足の深刻化
  2. 技術継承の危機
  3. 人件費の増大による業績悪化

人材確保のための人件費高騰が、企業の利益を圧迫するリスクについても取り上げます。

影響1.人手不足の深刻化

一般社団法人日本建設業連合会の「建設業デジタルハンドブック」によると、2023年の建設業就業者は、産業全体の約7%にとどまっています。

出典:建設業デジタルハンドブック「産業別就業者数」|一般社団法人 日本建設業連合会

総務省統計局の2024年(令和6年)の労働力調査によると、前年より14万人も増加した情報通信業に比べ建設業は6万人減と、その減少に歯止めがかかりません。

2030年に向けて深刻な人材不足が進む中、さまざまな業界で人材の取り合いが起こるため、建設業界の人材確保は今後ますます難しくなると予想されます。

建設業界での人手不足が進むと、工事の遅延や中止という事態を招きかねません。水道・ガス・電気・道路・高速道路など、社会生活の基盤を支えるインフラの整備にも影響を及ぼすおそれがあります。

影響2.技術継承の危機

出典:建設業を巡る現状と課題|国土交通省

建設業就業者のうち、約35%を超える団塊ジュニア世代(1971年~1974年生まれ)は、2030年に50代後半を迎えます。定年を間近に控え退職者の増加が懸念され、さらに危機感が増しています。

建設業界では、技術者の長年の経験に基づく技術や判断が重要な役割を果たしてきました。

こうした技術は単にマニュアル化できるものではなく、現場経験を積んでこそ身につくものが多くあります。そのため、ベテランの技術者が現役を引退すると、貴重な技術が失われる危険性があります。

技術が受け継がれなければ、建設業界の質の低下は避けられません。施工の品質を確保するための修正やチェックの工程が増えれば、結果的に工期は長引きます。

若手技術者が経験を積み即戦力として活躍できるようになるまでには、ある程度の時間が必要なため、技術の継承は急務です。

影響3.人件費の増大による業績悪化

建設業で働く人材が不足すると、企業は人材確保のために給与や手当を引き上げざるを得ません

また、経験の浅い若手人材にはOJT(On the Job Training)の強化や教育体制を整備し育成する環境づくりも重要です。その際は、経験豊富なベテランが指導に回るなど、現場の生産力が一時的に低下するケースも考えられます。

こうした人件費・育成コストの増加は、大企業に比べ体力がない中小の建設事業者にとって大きな負担です。限られた予算では人材確保が難しくなり、人手や時間を教育に取られて現場に出せる人数が減ってしまいます。

その結果、せっかく工事の依頼があっても対応できる人手が足りず、断らざるを得ないケースが出てきます。仕事はあるのにこなせないという状況が続けば、売上のチャンスを逃す機会損失となり、経営をさらに圧迫しかねません。

2030年問題が現実味を帯びる中、人件費の高騰は建設業界の収益そのものを揺るがすリスクもはらんでいるのです。

出典:建設業の人材確保・育成に向けて(令和7年度予算案の概要)|国土交通省

建設業界を支える人材不足の解消に向けて、国もさまざまな取り組みを進めています。
例えば、働く人の経験や技能を「見える化」する「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の導入促進は、適切な評価や処遇によって働く意欲を向上させるのが狙いです。安全で働きやすい職場づくりのため中小企業を対象とした助成金制度の整備も進められており、国も支援体制に力を入れています。

建設業界の2030年問題への3つの対策


2030年問題に対しては、個々の企業だけでなく建設業界全体で中長期にわたって取り組むことが必要です。本章では、具体的な3つの対策について解説します。

  1. 労働環境の改善と多様な働き方の実現
  2. 外国人材の受け入れ
  3. DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

建設業界でどのような取り組みが進められているのか、みていきましょう。

対策1.労働環境の改善と多様な働き方の実現

建設業界は、長時間労働や低賃金といったイメージを払拭すべく、労働環境の改善を積極的に進める企業が増えています。

例えば、自社に新しいフレックス制(※)を導入し、若手社員の離職率を防ぐため社外メンター制度を導入した企業もあります。制度の導入により、離職者がいなくなっただけでなく地元の人気企業ランキングで1位を獲得したことから、今後の優秀な人材確保に期待がもてるケースです。

フレックスタイム制は、一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる制度です。労働者は仕事と生活の調和を図りながら効率的に働くことができます。

引用:フレックスタイム制 のわかりやすい解説 & 導入の手引き|厚生労働省

過酷な労働環境により退職する社員が出ていたことから、週休2日制に向けて取り組んだ企業もあります。週6日分の工程を週5日で遂行するために工数を算出し改善したところ、年間休日数と1日あたりの生産性が約16%増加しました。

参考:有限会社大柳電気 | 厚生労働省働き方改革特設サイト

休日に家族と過ごせる時間ができ体力的な負担が減ったことで、日々の仕事に対する集中力が高まったと感じる社員もいます。

このように、労働環境の改善に向けた企業ごとの取り組みが建設業界全体の働きやすさにつながれば、より多くの人材が定着しやすくなります。

対策2.外国人材の受け入れ

出典:建設業デジタルハンドブック「外国人材の受け入れ状況」|一般社団法人 日本建設業連合会

2013年に約71万人だった外国人材の受け入れは、10年後の2023年に200万人を突破しました。

深刻な少子高齢化が進む日本では、こうした外国人材を積極的に受け入れ育成していくのも、労働力不足を補う重要な対策の一つです。

2019年4月に施行された「特定技能制度」で、建設業界でも外国人材の受け入れが可能になりました。

特定技能とは、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材を受け入れるための在留資格のことです。異なる文化や技術を持つ人材が加わることで、従来のやり方にとらわれない発想が生まれ、海外の最新技術や環境に配慮した工法を導入するなど、建築業界の国際化にも期待が高まります。

対策3.DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して、ビジネスや業務のやり方を変革することです。建設業界でもDXは人手不足解消の切り札として期待されており、下記がその一例です。

これらの技術が労働時間の短縮や危険な作業の削減にどうつながるのかみていきましょう。

BIM/CIMの活用


BIM/CIMとは、3Dモデルをコンピューター上に作成し管理する仕組みのことで、それぞれの役割は下記のとおりです。

BIM建築物を対象に3Dモデル上で作成し、材質・コスト・工程・メンテナンス情報などを一元管理する
CIM道路・橋梁・ダムなどの土木構造物を対象に、BIMの考え方を応用して、3Dモデルを用いた設計・施工・維持管理を行う

例えば、学校を建設する場合を考えてみましょう。従来までのやり方は、次のとおりでした。

  1. 建築士が教室や体育館などの図面を描く
  2. 電気業者がコンセントや照明の図面を別に描く
  3. 水道業者が水道管を別の図面に描く

これらの図面を重ねて問題がないか確認しますが、平面では見落としがあったりうまく重ならなかったりすることがあります。

これを、コンピューター上の3Dの校舎モデルで共有できるのがBIMです。

電気の配線と水道管が重なるなどの設計ミスを工事が始まる前に発見できるため、現場での手戻りが減り無駄な作業や調整の時間の削減など効率化が期待できます。
建物の完成後も3Dデータに情報が残るので、修理や点検がしやすくなり維持管理もスムーズです。

ICT建機の導入


ICT建機とは、GPSやセンサーなどの情報通信技術(ICT)を搭載した建設機械のことです。ICT建機を使うと、熟練のオペレーターでなくても正確かつ効率的に作業を行えます。

例えば、ブルドーザーやショベルカーである地点を掘る場合を考えてみましょう。

ICTを搭載すると、GPSやセンサーで建機の位置・角度・深さなどの設計データに基づいて自動で土を掘ることができます。長年の経験と勘に頼れない経験の浅い操縦者でも、ムラがでたり掘りすぎたりするミスを防げるのがメリットです。
ICT建機の導入は、より正確により早くより簡単に、そしてより安全な建設現場の作業を実現します。

AIの活用


近年、驚くほどのスピードで進化するAIは、建設現場でもさまざまな業務を効率化するツールとして期待されています。
例えば、ドローンで撮影した現場の画像をAIで解析すれば、下記のようなメリットが得られます。

  • 工事の進み具合を自動でチェックできるため、現場監督は現場に行く手間が省ける
  • 過去の工事データをAIに分析させれば、工事の遅れや危険性を予測でき、早めに対策を講じられる
  • AIが工程の進行状況を常に把握・分析していれば、資材到着のタイミングを自動調整するなど無駄な待ち時間を減らせる など

AIの活用で工程がスムーズに進み、かつ安全対策やコストも節約できるため、今後の建設業界においてAIの活用は不可欠です。

ウェアラブルデバイスの活用

ウェアラブルデバイスとは、作業員の体などに装着して使用するスマート機器のことをいいます。

例えば、現場で作業員がウェアラブルカメラを装着しておけば、その映像をリアルタイムで事務所や遠隔地に共有できます

なお、株式会社MIYOSHIがレンタルを実施している「G-POKE(ジーポケ)」は、現場で身につけてハンズフリーで撮影したライブ映像を、本社などの離れた場所から遠隔で確認できるウェアラブルカメラです。地下など大勢で入ることができない場所の作業でも、1人がカメラを持って入れば、遠隔で映像を確認できます。


経験の浅い作業員の作業状況をリアルタイムで確認しながら、ベテランが遠隔で指導することも可能になるため、技術継承や品質管理の効率化につながります。

建設業の「2030年問題」とされる深刻な人手不足への対策として、「G-POKE」は、限られた人材で現場を支えるための有効なDXツールといえます。
1週間の無料お試しも実施している「G-POKE」の詳細は、下記をクリックのうえ資料をダウンロードしてチェックしてください。

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今後の建設業界に求められること


2030年問題は建設業界にとって深刻ですが、それはあくまで通過点にすぎません。2030年以降も、人手不足や技術革新、環境問題など、次々に訪れる変化への対応力が求められます。今後の建設業界に求められるスキルの一例と、参考サイトを下記にまとめました。

求められるスキルの一例参考サイト
BIM/CIMスキルBIM/CIM養成講座とは|日本建設情報技術センター
BIM/CIMポータルサイト | 国土交通省
環境に配慮した設計や自然災害に強い建物設計・施工知識など建築技術教育普及センター
施工管理技士とは? | CIC日本建設情報センター
外国からの人材受け入れにおける、円滑なコミュニケーションのための文化理解や言語力外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組|法務省
外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策 (令和5年度改訂)|法務省

多岐にわたるスキルを学び活用できるよう、公的機関の研修情報などを活用しながら、研修制度を整え支援する仕組みづくりも実施していきましょう。

建設業の業務効率化を進めている企業の事例|株式会社キタムラ建設様

最後に、株式会社MIYOSHIのカンタン監視カメラ「G-cam04」を活用し、業務効率化を進めている株式会社キタムラ建設様の事例を紹介します。

株式会社キタムラ建設様は、不動産の取得から大型店舗、マンション、ホテルなどの設計・施工・メンテナンスまで一貫して手がける総合建設業・一級建築士事務所です。現場の安全確認や業務効率化、さらに防犯対策として「G-cam04」を導入しました。

株式会社キタムラ建設様が、G-cam導入に至った目的・背景・導入効果は下記のとおりです。

目的
  • 悪天候時や安全確認のため、現場監督が休日出勤する負担を減らしたい
  • 現場に行かずに遠隔で状況を把握し連絡の手間を省きたい
  • 資材の盗難や不審者の侵入など、防犯対策を強化したい
背景
  • 2024年4月から「働き方改革関連法」が適用され、時間外労働の負担改善を図った
  • 建設現場の防犯対策として防犯カメラに興味はあったが、風雨が心配だった
効果
  • 遠隔で現場の状況を把握できるようになり、現場監督の業務環境が大きく改善した
  • Wi-Fiがなくてもスマートフォンで映像を見られるので、業務効率化につながった
  • 万が一の盗難被害の際、証拠があることで防犯リスク軽減につながった

株式会社キタムラ建設様は、「G-cam04」を導入することで業務の効率化やリスク管理を実現しつつ、DX推進の取り組みを進めています

本事例の取り組みの詳細は、下記の記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。

2030年問題の対策として、まずはすぐに取り組めることから始めよう


建設業界は2030年をひかえ問題が山積みです。しかし、課題解決に積極的な企業はすでに動き始めています。なかでも大がかりなシステム開発が不要な防犯カメラのレンタルサービスは、DX推進の具体策として導入しやすい施策の一つです。


株式会社MIYOSHIのカンタン監視カメラ「G-cam」は、初期費用がかからず月々のレンタル料金9,800円(税抜き)〜手軽に導入できます。

「G-cam」は、建設現場や工事現場の監視に特化し、真夏の紫外線や台風などの屋外でも安心のIP66(※)相当の防犯カメラです。


※IP66……国際電気標準会議が定めた異物や水の侵入に対する保護等級を示す国際規格で、数字が大きいほど性能が高いことを示す

全機種にモバイルSIMと設定済みルーターを内蔵しているため、Wi-Fi環境のない工事現場でも活用できます。さらに、届いてからわずか3ステップで簡単に監視を始められます。「G-cam」の詳細は、下記のバナーをクリックのうえ資料をダウンロードしてご覧ください。

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