チュウケイ株式会社 警備員の勤務時間を年間547時間削減!G-cam04導入で人員配置の最適化と警備品質の維持を両立

導入の目的
  • 人材不足と高齢化問題への対応として、テクノロジーを活用し警備業務の効率化を図る
  • 警備員の勤務時間を1日あたり4時間削減する
導入した効果
  • 固定監視カメラの活用により、人員配置の最適化と省人化を実現できた
  • 警備員の勤務時間を1日1.5時間削減できた(段階的に4時間削減を目指す)
  • 年間コストを削減しつつ、高品質な警備サービスを維持することができた

札幌市に本社を置くチュウケイ株式会社様は、施設警備や交通誘導警備など、幅広い警備サービスを提供する総合警備会社です。近年の警備業界における人材不足と高齢化問題に直面する中、同社はテクノロジーを活用した業務効率化に取り組んでいます。

今回、大型商業施設の警備業務効率化を目的に固定監視カメラ『G-cam04』を導入し、警備員の勤務時間削減とサービス品質の維持を実現しました。システム開発部の鈴木健太郎様と湯川竜次様に、導入の経緯や効果についてお話を伺いました。

お客様プロフィール

会社名チュウケイ株式会社
業種総合警備業
従業員数565名 ※季節により変動あり
ご導入サービスG-cam04

警備業界における人材不足と高齢化。人員配置の最適化が課題だった

ーー システム開発部の業務内容について教えてください。

当社のシステム開発部は、2020年のコロナ禍を機に新設されました。おもな役割は、防犯カメラなどのセキュリティ機器を活用し、有人警備を補完することです。具体的には、施設警備の現場で警備員の人数や勤務時間を減らせるよう、最適なカメラや機器を提案しています。この取り組みにより、コスト削減を図りながら、警備業務の省人省力化を実現することを目指しています。

ーー G-cam04を導入する前の課題を教えてください。

まず導入の背景として、警備業界全体が直面している警備員の高齢化と人材不足への対応が挙げられます。人口減少社会の中で、他業種への人材流出も増えており、警備業界でも人材確保に苦心していました。

この状況に対応するため、人に過度に依存しない警備業務の仕組み作りが必要だと考えました。ただし、警備業務の完全な無人化は現実的ではありません。必要な場所に必要な人員を配置し、それ以外の場所はテクノロジーでカバーすることで、高品質なサービスを維持しつつ効率化を図ることを目指しました。

具体的な課題として、札幌市内の大型商業施設における人員配置の最適化が挙げられます。この施設では、24時間体制で常時5名程度の警備員が必要でした。施設の中でも警備対象は複数あり、入館従業員の応対や各計器類の目視点検など、さまざまな業務がありました。なかには対応頻度の少ない場所・時間帯もありましたが、何かあった場合に備えて警備員を常駐させている状況が続いていました。これは人員の効率的な活用という面で課題となっていたのです。

また、固定監視カメラ設置を検討しましたが、配線工事が難しい場所だったこともあり、導入を躊躇していました。

こうした状況を改善するため、新しい解決策を探していたのです。

G-cam04導入の決め手は「簡単設置」「広範囲監視」「シンプル操作」。段階的な導入でスムーズに運用開始

ーー G-cam04を導入した理由を教えてください。

他のサービスと比較し検討した結果、G-cam04を導入した決め手はおもに3つあります。

  1. 設置の簡易性
  2. 広範囲の監視機能
  3. シンプルな操作性

1つ目は、設置の簡易性です。G-cam04は、モバイルSIM・設定済みルーター内蔵でネットワーク設定が不要なので、配線工事を行う必要がありません。本体カメラを固定用ベルトで固定し、コンセントに差し込むだけで取り付けられるため、手元に届いてからスグに監視をスタートできます。また、24時間遠隔視聴可能で、1週間以上の録画データをローカル保存できる点も魅力でした。

2つ目は、広範囲の監視機能です。PTZ(パン・チルト・ズーム)機能が付いているので広範囲の監視ができます。1ヵ所の定点観測だけではなく、遠隔でカメラを動かしてさまざまな場所を確認できる点を重視しました。

3つ目は、シンプルな操作性です。警備業界では従業員の高齢化が進んでいます。そのため、年配の警備員でも扱いやすい、シンプルな操作性の機器が望ましいと考えました。

これらの特徴が、当社の課題解決に最適だと判断し、G-cam04の導入を決めました。

ーー 本格的な運用を開始するまで、どのように導入を進めましたか。

本格的な運用開始までには、段階的なアプローチを取りました。

まず、コスト試算を行い、G-cam04のランニングコストと警備員削減による費用削減を比較しました。この試算により、現在の警備業務レベルを維持しながら、コストを下げられることが分かりました。1日1.5時間の勤務時間削減でも、年間で十分なコスト削減効果があることを確認できました。

次に、約2週間の試験設置期間を設け、設置方法や画角などを検証しました。この期間中には、警備員が通常業務を行いながらG-cam04も同時に設置しています。運用面での課題を現場の警備員にもヒアリングしながら、改善を重ねていきました。

さらに、カメラに詳しくない人でも抵抗なく操作できるよう、簡潔明瞭なマニュアルを作成しました。写真や図を多用し、分かりやすさを重視しています。

G-cam04の担当の方には、丁寧なサポートをいただきとても感謝しています。分からないことがあればすぐに電話で質問できる体制が整っていることも、安心感につながっています。最近はメールやチャットでしか問い合わせできないサービスも多い中、いつでも電話できる点は大きな利点だと感じますね。

このように段階を踏んで慎重に導入を進めたことで、スムーズな本格運用開始につながりました。

操作マニュアルより一部抜粋

警備員の勤務時間が大幅減!サービスの品質を維持しつつ、省人化・コスト削減を実現

ーー 『G-cam04』はどのように使用されていますか。

札幌市内大型商業施設の常駐警備における、守衛室の無人化のために使用しています。具体的には、夜間の時間帯に、守衛室の受付窓口、照明、空調、昇降機の監視盤を防災センターの警備員が遠隔で監視しています。

ーー 『G-cam04』導入後の効果を教えてください。

導入後は、警備員の勤務時間を1日1.5時間(年間約547時間)削減することができました。警備員が常駐していなくても、カメラによる監視で安心感を提供できています。同時に、業務の効率化も達成できました。

リスクに対する不安感を考慮し、一気に大幅な削減を行うのではなく、徐々に無人化の時間を拡大する方針です。将来的には1日4時間(年間1,460時間)の削減を目標としています。さらなる検証を進め、遠隔監視の適用範囲を拡大していく予定です。

ーー 使い勝手や機能面についてはいかがですか?

G-cam04は、使いやすさと機能性の両面で高評価を得ています。電源につなぐだけで即遠隔監視ができるシンプルな設計のため、カメラに詳しくない方や年配の警備員の方でも簡単に扱えます。

G-cam04には「プリセット」と呼ばれる便利な機能もあります。これは、よく確認する場所のカメラアングルを事前に登録して保存しておける機能です。例えば、「窓」「照明監視盤」「空調監視盤」などと名付けて保存しておけば、ボタン一つでそれぞれの場所をすぐに映すことができます。この機能により、複数の監視対象をスムーズに確認できるようになりました。

守衛室では、カメラを天井や上部から吊るすのではなく、台座に置いて使用しています。

操作マニュアルより一部抜粋

台座に置くことで、人間の目線に近い位置で監視可能で、警備業務の補助として使い勝手が良いと感じています。

また、夜間や屋外でも明瞭な映像が得られます。実際に、屋外イベント会場での車両混雑状況の確認に使用し、問題なく監視できました。

テクノロジーと人間の強みを組み合わせ、警備品質のさらなる向上を目指す

ーー 最後に、G-cam04を今後どのように使っていきたいか教えてください。

G-cam04は移動や設置が簡単なため汎用性が高く、臨時の警備にも活用できると思います。今後はイベント警備の監視補助や、工事現場における安全確認の補助ツールとしての利用も検討しています。長期的には、今後3年間で当社が受託している施設の常駐警備における有人業務時間を3割削減することが目標です。

G-cam04は、警備業界だけではなく、人材不足や高齢化に悩む他業界でも有効な解決策となる可能性があります。一方で、省人化を進める中で、有人対応の価値も再認識されてきました。例えば、緊急時の迅速な対応や、きめ細やかな顧客対応など、人にしかできない業務もあります。単純に人員を減らすのではなく、人の強みとテクノロジーの利点を組み合わせた最適な警備体制を追求していきたいと考えています。